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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に要警戒

29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、イラン情勢の緊迫化を受けてWTI原油先物が1バレル=108.49ドル前後まで上昇し、タカ派的なFOMC声明を受けて米10年債利回りが一時4.4318%前後まで上昇したことで160.47円まで上昇し、2024年7月以来の高値を更新した。ユーロドルは1.1661ドルまで値を下げた。ユーロ円は187.41円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、植田日銀総裁のハト派的見解、タカ派的なFOMC声明、原油価格高騰を受けて160円台に乗せてきていることで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に警戒せざるを得ない展開となる。

 片山財務相は、2024年の連休中など過去の為替介入には効果があったと評価した上で「フリーハンドで投機的な動きに断固たる措置をとる。大型連休中を含めた米国との緊密な連携」に言及しており、ドル売り・円買い介入に身構えておきたい。

 2024年4月29日にドル円が160円台に乗せた局面では、本邦通貨当局が過去最大規模の覆面円買い介入(5兆9185億円)を断行したことで、154円台まで急落していた。

 昨日のWSJ紙は、トランプ米大統領が側近に対してイラン封鎖の長期化に備えるように指示したと報じた。先日、イランはホルムズ海峡の開放により暫定的な停戦合意を優先し、トランプ政権が望む核兵器開発阻止の議論を先送りするという提案をしていたが、「トランプ米大統領はイランの提案を拒否し封鎖継続を表明。イランが行動を起こさなければトランプ米大統領は軍事行動を検討」と報じられており、WTI原油先物価格は108ドル台まで上昇している。

 米国憲法上、戦争を宣言する権限は議会にある。戦争権限法は、大統領が議会の承認なしに敵対国に武力を行使した場合、共同決議によって軍の即時撤退を求めることができると規定している。また、60日以内に議会から武力行使の承認を得られなければ、30日以内に撤退しなければならない。イラン戦争の開戦日は2月28日だが、トランプ政権が議会に公式に作戦開始を通知した時点(3月2日)から日数が数えられるため、デッドラインは、明日5月1日(現地時間)に迫っている。

 米軍を撤退させない場合、トランプ米大統領が選択できる方法は、共和党を説得して上下両院で戦争の承認を得るか、議会の同意なしに自ら戦争延長を強行するかの2つである。しかし、トランプ米大統領はこれまで米国の憲法や法律、そして国際法を無視してきており、「イランが行動を起こさなければトランプ米大統領は軍事行動を検討」との報道は、議会の同意がなくてもイラン戦争延長を強行することを警告しているのかもしれない。


(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ