
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年1月9日 14時20分
ドル円、下値は限定ながら日米要人発言が相場の波乱要因となる展開も
米ドル/円、米労働市場の底堅さで後半切り返す
米ドル/円は底堅い展開となりました。流動性が薄い中で週明けに157.295円まで上昇しましたが、弱い米経済指標を受けて156.111円まで反落。その後、底堅い民間雇用者数や強いISM非製造業景況指数など、米労働市場の改善期待が支えとなり、米ドル/円は157円台前半まで戻しました。もっとも、米政府発表の雇用データや米国の関税を巡る一部案件について最高裁判断を見極めたいとの思いから、米ドル/円の値動きは全体的に限定されました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
物価指数やFRB高官らの発言を中心に米利下げ姿勢を確認
■1月FOMCへのヒント示されるか注目
来週は米国の消費者物価指数を皮切りに、卸売物価指数や小売売上高などが発表されるほか、FRB高官らの発言が続きます。経済指標では、インフレ鈍化の流れが継続するのか、労働市場が減速する中でも消費の底堅さが確認できるのかなどがポイントになります。
また、要人発言では、今年のFOMCで投票権を有するNY連銀総裁、フィラデルフィア連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、ジェファーソンFRB副議長が発言します。再来週以降はブラックアウト期間となるため、発言内容が短期的な相場の方向性を示す可能性があります。
■米CPI、前月比のリバウンドは想定内
米国の消費者物価指数(CPI)を巡っては、政府機関閉鎖の反動でリバウンドが見込まれます。理由としては、11月分は閉鎖の影響で欠損したデータに9月分の数値を流用した可能性があり、家賃や航空運賃を中心に下押し圧力が加わったとの見方があります。今回はその反動で価格に上昇圧力がかかりやすいのではないかとの観測が出ています。既にリバウンドが織り込まれているとはいえ、反応が大きく出た場合はFRBの利下げ期待の後退につながるかもしれません。
しかしながら、ガソリン価格の下落や住宅価格の上昇が落ち着きつつある点を踏まえると、全体的には米物価の伸びがFRBの目標である2%に向けて低下を続けているとの見方から、米ドル/円の上値は限定されるのではないでしょうか。
■日本の要人発言にも警戒
一方、日本でも片山財務相や城内経済財政担当相が発言します。米ドル/円の水準次第では、強めの円安牽制発言によって米ドル/円の上向きの流れが急に変化する可能性も考えられます。
上昇の勢い回復か?(テクニカル分析)
■ 下方向はサポート力厚めと判断
米ドル/円は足元、ジワリと下値を切り上げ、再び上方向を試す展開になっています。目先、2025年11月20日高値157.891円からの短期レジスタンスラインが位置する157.70~80円で上値を抑えられる可能性はありますが、ここを超えてくれば159.00円まで目線が上がりそうです。下方向は、21日移動平均線が推移する156.27円付近で支えられるかがポイントになりますが、これを下回っても155.50円付近に日足一目均衡表・雲の上限が控えていることもあり、下方向の値幅も広がりにくいと考えています。
【米ドル/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:USD/JPY:155.000-159.000
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一言コメント
金融市場が年末年始の休暇中に波乱なく通過したので、ほっとしています。今年もよろしくお願いします。
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