
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月24日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼23日(火)の為替相場
(1):RBA議事録公表
(2):片山財務相 円安けん制
(3):米GDP 予想を大幅に上回る
(4):米消費者信頼感指数 5カ月連続低下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:本格的な取引は控えられそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(火)の為替相場

期間:23日(火)午前7時10分~24日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事録公表
豪中銀(RBA)は、12月理事会の議事録を公表。「メンバーは、来年のある時点でキャッシュレートの引き上げを検討する必要が出るかもしれない状況について議論した」と明らかにした。その上で「最近のデータはインフレリスクが上向きに傾いていることを示唆しているが、メンバーはインフレ圧力の持続性を評価するにはもう少し時間がかかると考えた」と指摘。1月下旬に発表される第4四半期の消費者物価指数(CPI)を確認することが重要になるとの認識を示した。
(2):片山財務相 円安けん制
片山財務相は閣議後の会見で、足元の為替相場の動きについて「ファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない」と指摘。「投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては9月に出した日米財務相共同声明の考え方を踏まえて対応を取る」と語った。その上で、円買い介入の可能性について「フリーハンドだ」と強調した。前日に続く強い円安けん制発言を受けて円買いが優勢となった。
(3):米GDP 予想を大幅に上回る
政府機関閉鎖の影響で発表が遅れていた米7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比年率+4.3%と市場予想(+3.3%)を大幅に上回り、4-6月期(+3.8%)から予想外に伸びが加速した。GDPの約7割を占める個人消費は前期比年率+3.5%と予想(+2.7%)を上回った。その後に発表された米11月鉱工業生産は前月比+0.2%だった(予想+0.1%)。
(4):米消費者信頼感指数 5カ月連続低下
米12月消費者信頼感指数は89.1と市場予想(91.0)を下回った。低下は5カ月連続で、8カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。アンケート調査では「職探しが困難」との回答が増加した一方、「仕事が豊富にある」との回答が減少しており、消費者が労働市場に悲観的になっていることが示唆された。また、家計の状況については「悪い」とする回答が「良い」の回答を約4年ぶりに上回った。
23日(火)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:本格的な取引は控えられそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%下落。日本の政府高官による円安けん制が相次いだ。特に片山財務相は前日に続いて足元の為替動向について「投機的」と述べ、「9月の日米財務相共同声明の考え方を踏まえて行き過ぎた動きには対応を取る」との考えを示し、「フリーハンドだ」と強調。政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まる中、一時155.65円前後まで下落し、19日の日銀金融政策決定会合後の上げ幅を吐き出した。その後、米7-9月期国内総生産(GDP)・速報値が予想を大きく上回る結果となり、米長期金利が一時上昇に転じたことで156円台を回復した。 政府・日銀の円買い介入への警戒感が引き続きドル/円の上値を抑える公算が大きい。一方で、現在の日本経済は円安が進みやすい構造となっていることから155円台には買いニーズがあると見られ、下値は堅そうだ。加えて、欧米は明日がクリスマスで祝日休場。本日も米国では株式、債券市場が短縮取引となるため、為替市場でも市場参加者も減少し、本格的な取引は控えられそうだ。
注目の経済指標:米新規失業保険申請件数

注目のイベント:米債入札
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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