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FX分析「インフレ鈍化も油断禁物!今後の焦点は...」トルコリラ見通し 2025/12/9 #外為ドキッ

 

【2025年12月最新】トルコリラ円の見通しは?高金利通貨の現状と今後のシナリオを徹底解説

2025年11月のトルコの消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で31.07%の上昇となりましたが、伸び率は鈍化する兆しを見せています。トルコ中央銀行は利下げ局面に移行しており、11月時点での政策金利は39.5%です。

当局は「インフレの沈静化には時間がかかる」との慎重な姿勢を崩していません。現在のドル/トルコリラ相場は1ドル=42.5リラ前後で落ち着いていますが、トルコリラ/円はドル円相場の影響も受けるため、なかなか上がりにくい状況が続いています。

トルコの外貨準備高などは改善傾向にありますが、根本的な「経済への信頼性」や政治的なリスクが、依然としてトルコリラの上昇を妨げる要因となっています。これらの状況から、短期的には「上昇したところでは売られやすく、上値は限定的」という見方が優勢です。トルコリラ/円の今後の行方は、ドル/トルコリラ相場の安定と、ドル円相場の方向性にかかっています。

トルコリラ円の主役は「ドル」!今の相場を動かす2つの要因とは?

トルコリラ/円の動きを理解するためには、まず「ドル/トルコリラ」の動向を見ることが最も重要で、円相場の影響は二次的です。

ドル/トルコリラ相場は、2025年に入ってインフレの伸びが落ち着いてきたことを受けた利下げにより、リラ安のペースが若干ではありますが鈍化しました。直近では1ドル=42リラ台での高値圏で推移しています。投機的に一方通行でリラが売られる状況は続いており、今後は「トルコの経済政策が継続できるか」という市場からの信頼が、相場の変動要因になっていくと見られています。

トルコリラ/円は、このドル/トルコリラ相場の動きと、日本の金融政策やアメリカの金利動向に左右されるドル円相場の動きを掛け合わせて決まるため、上昇してもすぐに利益確定売りに押されるような、方向感の出にくい展開になりやすいと考えられます。

トルコ中銀総裁の発言に注目!市場が本当に求めている「信頼」とは?

トルコ中央銀行のカラハン総裁は2025年11月26日、「インフレ率の低下は長期的なプロセスになる」と述べ、足元のデータも健全な減速を示していると発言しました。この声明は、利下げ局面にありながらも、インフレ抑制への慎重な姿勢を崩していないことを市場にアピールするものでした。

市場が求めているのは、「トルコ政府とトルコ中央銀行がどれだけ本気でインフレを抑え込むのか」ということです。エルドアン大統領の意向が経済の合理的な判断を覆してしまう可能性は、トルコリラの根本的なリスクであり、突然の要人更迭や政策変更に対する警戒感は依然として残っています。

インフレ率31%台へ低下も油断は禁物!トルコの最新経済指標をチェック

2025年12月3日に公表されたトルコの11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で31.07%の上昇、前月比では0.87%の上昇でした。10月の前年同月比32.87%から伸びが鈍化しており、特にガソリンや一部食料品の価格上昇が落ち着いたことが要因です。

トルコ中央銀行は、インフレ抑制の目標を維持しつつも、状況に応じて判断を続ける方針です。また、11月28日時点のデータでは、外貨準備高や国内預金のバランスに改善の兆しが見られます。ただし、増えた外貨準備高の中身(短期的な借り入れ資金ではないかなど)や、その持続性については、引き続き注意深く見ていく必要があります。

利下げでも慎重姿勢を崩さないトルコ中銀。ポイントは「信頼回復」

2025年、トルコ中央銀行は1月23日に政策金利を47.5%から45.0%へ引き下げ、その後もインフレの落ち着きを確認しながら、緩やかなペースで利下げを進めてきました。11月には39.5%まで引き下げられましたが、トルコ中銀は「インフレを確実に抑え込むため、必要であれば追加の措置も講じる」との姿勢を繰り返し示しています。

トルコの金融環境は、表面的な金利の数字よりも、人々の「将来のインフレ期待」や「自国通貨への信頼」に大きく左右されます。計算上の実質金利(政策金利から予想インフレ率を引いたもの)がプラスに近づいても、過去に何度も政策が覆されたことへの警戒感が、トルコリラを買いにくくさせている要因です。そのため、見た目の「数字」だけでなく、市場からの「信頼」を勝ち取れるかが重要になります。

なぜトルコリラは買われないのか?市場心理と構造的な課題

最新の週次データ(11月28日週)では、預金者が自国通貨リラを売ってドル資産を持とうとする「ドル化」の動きに、歯止めがかかりつつある兆候が見られます。

それでもリラが本格的に買い戻されない背景には、国内投資家の長年の行動パターンや、外貨準備高の「質」に対する市場の厳しい視線があります。外貨準備高の総額が増えているかだけでなく、その資金がどこから来ているのか(安定した経常黒字なのか、短期的な借り入れなのか)、そして危機時に本当に使える資金がどれだけあるのかが、厳しく評価されています。

また、重要な経済指標の発表前に期待感でポジションが膨らみ、発表後には「材料出尽くし」として逆方向に動くという、トルコ市場特有の値動きにも注意が必要です。

今後のトルコリラ円はどうなる?予測する3つのシナリオ

短期的には「ドル/トルコリラは高止まりし、ドル円の方向感が出るのを待つ」展開となり、トルコリラ/円は一定の範囲内で動きつつも、上昇したところでは売られやすいでしょう。

  • 上昇シナリオ: 今後もインフレの鈍化が続き、安定した形で外貨準備高が積み上がれば、ドル/トルコリラの価格変動は抑制されます。その場合、トルコリラ/円もじりじりと値を上げる余地が生まれるでしょう。
  • 下落シナリオ: トルコ国内の政治的な混乱や、目先の景気対策を優先するような突然の政策転換があれば、経済への不信感が再び高まり、リラが売られる圧力が再燃する可能性があります。
  • 中立シナリオ: インフレの落ち着きが本物であると確信が持てるまでは、楽観的になりすぎず、やや慎重なスタンスを維持せざるを得ない状況です。

【要チェック】経済イベントカレンダー

  • 2025年12月11日(木)20:00: トルコ中銀、政策金利
  • 2025年12月18日(木)14:30: 週次・外貨準備/マネー・銀行統計

※上記はトルコ中央銀行の公表データです。

テクニカル分析 - TRY/JPY日足チャートの詳細解説(2025年12月9日時点)

トルコリラ円 日足チャート

11月につけた高値3.704円からの下落は3.617円で一旦止まり、現在は過去10日間の平均価格を示す「10日移動平均線」まで値を戻そうとしている局面です。

相場の過熱感を示すRSI(9)は、中立を示す50付近での攻防となっており、方向感はまだ定まっていません。10日移動平均線が横ばいからやや下向きのため、価格が上昇してもこの線に跳ね返されやすい形です。

  • 上値抵抗線(レジスタンス):
    • ・3.65〜3.67円: 10日移動平均線と直近の戻り高値。まずはこの水準を終値で超えられるかが焦点です。
    • ・3.70〜3.704円: 11月の高値圏。ここを突破できれば、本格的な上昇再開のサインと見なせます。

    下値支持線(サポート):

    • ・3.63円: 短期的な押し目の中心。この価格を維持できるかが強弱の分かれ目です。
    • ・3.61〜3.62円: この水準を割り込むと、下落が加速するリスクがあります。
    • ・3.51円: 今年の最安値。もしここまで下落すれば、中期的な下落トレンドへの回帰が懸念されます。

    今後の値動き予測:上昇パターンと下落パターン

    • ・上昇シナリオ: 3.63円で底堅さを見せ、10日移動平均線を終値でしっかりと超えてくれば、3.67円、そして3.70円台への再挑戦が見えてきます。
    • ・下落シナリオ: 10日移動平均線に上昇を阻まれ、3.61円を終値で割り込んでしまうと、下落に勢いがつき、3.58円、最悪の場合は3.51円方向への下押しに警戒が必要です。

    具体的な売買戦略のヒント

    • ・押し目買い戦略: 3.63円付近まで下がった後の反発を確認するか、10日移動平均線を明確に上回ってからエントリーを検討。終値で3.61円を割れたら損切り。利益確定の目安は3.67円、勢いがあれば3.70円台です。
    • ・戻り売り戦略: 3.65〜3.67円まで上昇したものの、勢いがなくなったのを確認してエントリー。終値で3.70円を超えたら損切り。利益確定の目標は3.63円、次に3.61円台です。

    トルコリラと金価格の関係

    トルコリラの継続的な下落とトルコ国内での高インフレは、国内の金(ゴールド)需要を大幅に増加させ、これが結果的に世界的な金価格の上昇に間接的に寄与していると言える。

    • インフレヘッジとしての金需要: トルコ国内では、長期にわたるトルコリラの価値下落と深刻なインフレを受け、人々が実物資産である金をインフレヘッジ(物価上昇による資産の目減りを防ぐための投資)として購入している。
    • トルコ中央銀行による金の買い増し: 民間だけでなく、トルコ中央銀行も外貨準備を安定させるために金を積極的に買い増しており、世界でも有数の金の買い手となっている。
    • 国際的な金需要への影響: トルコ国内の旺盛な金需要は、世界の金市場に影響を与えるほどの規模に達している。例えば、2023年第2四半期には、トルコの投資需要が世界の金地金・金貨需要の17%を占め、他国の需要減速を相殺する役割を果たした。

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    ■縮小開始日時
     2025年12月1日(月曜)~2025年12月24日(水曜)
     提示時間帯:18時~翌3時

    ■対象銘柄およびスプレッド
     金スポット:0.20→0.15(25%縮小) 
     ※2025年10月配信実績

    『CFDネクスト』の提示スプレッドは固定化されたものではありません。市場の流動性が低い時間帯、主要経済指標の発表前後、ならびに天災地変または金融・経済関連の重大事件など予期せぬ突発的事象の発生時には、スプレッドが変動する可能性がございます。またスプレッド縮小の時期は告知なく終了する場合があります。


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