
作成日時:2026年8月25日11時30分
想定期間:2026年8月25日~9月1日
【この記事でわかること】
- 今週のトルコリラ/円の予想レンジ:3.24〜3.35円
- 下落リスク:対イラン制裁の波及、実効金利の低下
- 上昇要因:米PCE・ウォーシュFRB議長講演による円安
- 重要な分岐点:3.30円・3.28円・3.24円の攻防
8月25日〜9月1日のトルコリラ/円は、3.24〜3.35円の予想レンジで方向感が出にくいながらも、やや下方向を警戒する展開です。判断を分けるのは、①米国の対イラン制裁がトルコの金融機関にどこまで及ぶとみるか、②実効金利の低下をスワップポイントへの影響としてどこまで重く見るか、③米7月個人消費支出(PCE)デフレーターとウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が円相場をどちらへ振らせるか、の3点です。プロの間でも割れていますが、ご自身がこの3つのどれを重く見るか、意識しながら読み進めていただければと思います。
トルコリラ/円を見通す重要3項目|対イラン制裁強化・リラ防衛策縮小・米金利
米国の対イラン制裁強化|二次制裁がトルコの金融機関に波及するか
最も警戒したいのは、米国の対イラン制裁強化です。米財務省は24日、イランと取引を続ける第三国の企業や金融機関への二次制裁を強める方針を打ち出し、週内に大手金融機関1行への制裁を発表する見込みだとも説明しました。対象は明らかにされておらず、今週は金融機関への追加制裁が焦点になります。
現時点でトルコの銀行が指定されたわけではありませんが、仮に対象がトルコの金融機関や決済網まで広がれば、リラには直接的な売り材料になりかねません。7月末に長期のイラン産ガス契約が満了したとはいえ、トルコとイランの経済関係が切れたわけではなく、今回はガスの供給量よりも、決済や金融取引への波及を見ておきたいところです。制裁強化で原油が再び上昇する場合も、エネルギー輸入国のトルコには逆風となります。逆に、トルコがイランとの関係整理に踏み込む姿勢を示せば、警戒の後退が支えに回る余地もあります。
この材料は、どちらに転ぶかは先の話ですが、トルコの出方次第では警戒の後退が支えに回る余地もあります。
TCMBのレポ入札再開|実効金利の低下とスワップポイントへの影響
制裁が外側からの重しだとすれば、内側の変化がこちらです。TCMB(トルコ中銀)は1週間物レポ入札を再開し、24日には政策金利と同じ37%で10億トルコリラが供給されました。停止前の最終入札金利は40.06%でしたので、3月の停止時に実質的な引き締めとして働いていた3%分の上乗せが、解除され始めた形になります。トルコリラを支えてきた金利面のメリットは薄まる方向にあり、スワップポイントにも低下圧力がかかりやすい局面といえます。
ただし、通常の資金供給に戻せること自体、市場の落ち着きに対する当局の自信の表れとも読めます。ここが見方の割れる部分で、「高金利の支えが消えた」のではなく「特別に高かった支えが一段低くなった」という位置付けが実態に近いでしょう。
米PCEとウォーシュ議長講演|ドル/円を通じたトルコリラ/円への波及経路
もう一つの焦点は円相場です。26日の米PCE、28日のウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演は、米金利とドル/円を通じてトルコリラ/円にも影響します。
PCE上振れやタカ派発言で米金利が上昇し円安が進めば、トルコリラ/円には下支えとなります。反対に、インフレ鈍化やハト派的な内容で円高に振れれば、トルコリラ/円の上値は重くなります。ただし、タカ派サプライズが株安や新興国通貨売りまで伴えば、円買い戻しとトルコリラ売りが同時に進む可能性もあり、「タカ派=トルコリラ/円上昇」と単純には言えません。
トルコリラ/円のテクニカル分析|移動平均線とRSIで見るサポートとレジスタンス

ここまでの材料は、テクニカル面の形とも整合しています。目先の分水嶺は3.30円です。3.32円を明確に回復できれば、25日移動平均線が位置する3.34円前後が次のレジスタンスとなります。ここは前回の戻り高値とも重なり、上抜けには制裁への警戒が和らぐといった材料が要りそうです。
一方、3.28円のサポートを割り込めば3.26〜3.27円、さらに予想レンジ下限の3.24円が視野に入ります。14日相対力指数(RSI)は30.8と売られ過ぎの目安に近く、短期的な反発も起こりやすい水準ですが、25日移動平均線が下向きを保っているうちは、レンジ内の戻りにとどまりやすいでしょう。制裁がトルコの金融機関にまで及ぶ場合に限り、3.24円で止まる前提を外して直近安値3.225円を見ておく、という組み立て方もあります。
トルコリラ/円のシナリオの組み立て方
メインシナリオは、3.24〜3.35円のレンジ内でもみ合いながら、やや下方向に重心が寄る展開です。円安が下値を支える一方、制裁への警戒と実効金利の低下が上値を抑えるという綱引きで、どちらかに大きく振れる材料が今週中に出そろうとは見ていません。
上方向へ修正する条件は、制裁の対象にトルコの金融機関が含まれないと確認され、3.32円を回復して25日移動平均線の3.34円を終値で上抜けた場合です。下方向へ修正する条件は、制裁がトルコの金融機関や決済網に及ぶ兆しが出た場合、あるいは3.28円を明確に割り込んだ場合となります。
すでにポジションをお持ちの場合、見るべき水準は立場によって変わります。スワップポイント狙いの買い持ちであれば、実効金利が40%近辺から37%へ近づく局面で、受け取り水準の前提が変わりうる点をどう扱うか。3.24円割れを「押し目」と見るか「シナリオ変更の合図」と見るかを、先に決めておく整理の仕方もあります。戻り売り目線であれば、14日RSI30.8が示す自律反発の余地に加え、制裁への警戒が後退した場合の戻りが想定より強く出るケースへの備えを用意しておく、という考え方ができそうです。
いずれも一つの見方です。28日に材料が集中し、週末を挟む週である以上、どこで判断するかはご自身の相場観に合わせて組み立てていくことになります。
【あなたの見通しは?】
今後1週間のトルコリラ/円は、どのゾーンを中心に動くとお考えですか。
- A:3.32〜3.35円(戻りを試す)──円安が下値を支えるとみる立場。制裁の対象にトルコの金融機関が含まれず、14日RSI30.8が示す自律反発の余地が実現すれば、25日移動平均線の3.34円前後までは戻す余地があるとみる。
- B:3.28〜3.32円(綱引きが続く)──円安の支えと、制裁への警戒・実効金利の低下という重しが拮抗したまま、今週は決着がつかないとみる立場。米PCEとウォーシュFRB議長講演も、どちらに転んでもレンジを離れる材料にはならないという見方。
- C:3.24〜3.28円(下値を探る)──実効金利が37%方向へ低下したことと、制裁の網が第三国の金融機関へ広がったことを重く見る立場。3.28円のサポートを割り込めば3.26〜3.27円、さらに3.24円、場合によっては直近安値3.225円が意識されるとみる。
トルコリラ/円の注文情報(オーダーブック分析)
| Sell | Rate | Buy |
|---|---|---|
| 16,000 Lot | 4.30 | 0 Lot |
| 36,000 Lot | 4.20 | 0 Lot |
| 28,000 Lot | 4.10 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 4.00 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.90 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.80 | 4,000 Lot |
| 36,000 Lot | 3.70 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.60 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.50 | 4,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.40 | 4,000 Lot |
| 0 Lot | 3.30 | 0 Lot |
| 40,000 Lot | 3.20 | 36,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.10 | 36,000 Lot |
| 40,000 Lot | 3.00 | 40,000 Lot |
| 40,000 Lot | 2.90 | 28,000 Lot |
| 40,000 Lot | 2.80 | 20,000 Lot |
| 12,000 Lot | 2.70 | 8,000 Lot |
| 4,000 Lot | 2.60 | 8,000 Lot |
| 16,000 Lot | 2.50 | 8,000 Lot |
| 8,000 Lot | 2.40 | 4,000 Lot |
| 4,000 Lot | 2.30 | 4,000 Lot |
本データは10分おきに再集計され、その約5分後に表示されます。
背景が水色の行は現在レートの位置を表しています。
トルコリラ/円は現在3.30〜3.31円付近で、直上の3.40円には40,000 Lotの売り注文があり、目先の上値抵抗として意識されそうです。さらに3.50円、3.60円にもそれぞれ40,000 Lotの売り注文が並んでおり、反発局面では上値の重さに注意が必要です。
一方、下方向では3.20円に36,000 Lot、3.10円に36,000 Lotの買い注文があり、下値を支える注文として意識されます。ただ、2.80円から3.20円に非常に多くのストップ売りが並んでおり、下落が進んだ場合には下げ圧力が強まる危険がありそうです。
今後の重要イベント
- 8月25日(火) 23:00 アメリカ 8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
- 8月26日(水) 08:50 日本 7月企業向けサービス価格指数(前年同月比)
- 8月26日(水) 21:30 アメリカ 7月個人消費支出(PCEデフレーター)
- 8月26日(水) 21:30 アメリカ 7月耐久財受注
- 8月26日(水) 21:30 アメリカ 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
- 8月27日(木) 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
- 8月28日(金) 08:30 日本 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
- 8月28日(金) 16:00 トルコ 7月貿易収支
- 8月28日(金) 19:00 日本 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
- 8月28日(金) 23:00 アメリカ ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長、発言
- 8月31日(月) 16:00トルコ 4-6月期四半期国内総生産(GDP、前年比)
- 9月01日(火) 16:00トルコ 8月製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 9月01日(火) 23:00アメリカ 8月ISM製造業景況指数
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