執筆日時:2025年9月8日 13時10分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
米労働市場の減速傾向が鮮明に、年内毎会合利下げ見通し再燃で米ドル/円146円台へ下落
9月5日に発表されたアメリカの8月非農業部門雇用者数(NFP)は、市場予想の7.0万人に対して2.2万人と、予想を大幅に下回る結果となりました。7月分は小幅に上昇修正されましたが、6月分はさらに下方修正され一段と弱い結果になりました。内訳では、これまで雇用を支えていた教育・ヘルスケアが4.68万人にとどまったほか、製造業分野も雇用が減速しました。加えて、政府部門も-1.6万人となりました。また、失業率は4.3%へ悪化しました。
結果を受けて、「CMEのFedWatchツール」では、9月・10月・12月のFOMCでそれぞれ0.25%の利下げが実施されるとの見方が再びコンセンサスになりました。
各市場の反応
【為替市場】
米労働市場の減速を受けて、米ドル/円は147.95円付近から147.19円付近まで急落。その後も売り圧力が強い中、NY中盤には146.819円まで下げ幅を広げました。そこからは押し目買いも散見され、米ドル/円は147.50円付近まで戻しました。米10年債利回りは一時4.067%付近まで低下しました。
【株式市場】
労働市場の軟化を受けて、FRBの大幅利下げ観測を好感して買いが先行したものの、後半は米経済成長のペース鈍化不安が意識されて、反落しました。
- ダウ平均:前日比 -0.48%(-220.43)で45,400.86ドル
- ナスダック総合:前日比 -0.03%(-7.30)で21,700.39
- S&P500種:前日比 -0.32%(-20.58)で6,481.50
【金市場】
米金利低下・株安の中で、安全資産とされる金に買いが集まりました。スポット価格は3,600ドルを一時付けました。

※チャート:左上から横に米国S&P500、米国D30、日本N225、金スポット、5分足 外為どっとコム「株価指数・商品CFDチャート」
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