
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は111.54円前後、NZドル/円は92.34円前後で取引が開始されました。17日に豪準備銀行(RBA)が25bp(0.25%)の利上げを決定。市場では利上げを完全には織り込みきれていなかったことで豪ドル/円は一時113.21円前後まで上値を伸ばしました。もっとも週を通しての市場の最大の注目はイラン情勢であり、イスラエルがイランのガス田への空爆を実施するなど早期収束のめどが立たないことから、『有事のドル買い』が入りやすい地合いだったため豪ドル/円の上値は限定的となりました。NZドル/円も同様に93円台前半では上値を抑えられました(執筆時)。
豪2月CPI次第では次回RBA理事会で追加利上げ?
17日のRBA理事会後の記者会見でブロックRBA総裁は、「物価は高すぎる水準にとどまり、中東情勢の悪化が招くエネルギー価格高騰の二次的影響を懸念している」と繰り返しました。これを受けて市場はタカ派的と受け止め、金利先物で見る次回会合(5月5日)での追加利上げ確率は約60%まで上昇しました。
19日に発表された豪2月雇用統計は表1のような結果となりました。雇用者数は市場予想を上回る大幅な増加となりましたが、内訳では正規雇用者数が減少しました。豪統計局(ABS)は「特に65歳以上を中心にパートタイムへ移行する人が増えた」としていますが、市場では見た目ほど強い内容ではないと受け止められています。
【表1.豪2月雇用統計結果】

一方、失業率は3カ月ぶりに4.3%へ上昇しましたが、労働参加率が4カ月ぶりとなる66.9%へ上昇した影響とみられ、ネガティブな上昇とは受け止められていません。
来週は25日に豪2月消費者物価指数(CPI)が発表されます。豪州のインフレは、1月CPIが前年比+3.8%、同CPIトリム平均が+3.4%と、RBAの目標を上回る状態が続いています(表2)。
【表2. 豪CPI推移】

今回のCPIは、イラン情勢の緊迫化によるエネルギー価格上昇前のデータとなりますが、仮にインフレ加速が確認されれば、RBAの次回会合での追加利上げ期待がさらに高まる可能性があります。
『有事のドル買い』が強まる局面では豪ドル/円は上値を抑えられやすいものの、中東情勢が落ち着けば、利上げサイクル入りと国内経済の強さを背景に、豪ドルは買われやすい通貨となるでしょう。
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は、昨年10月23日以降日足一目均衡表の基準線をサポートに上昇基調を維持しています。引き続き同線が目先のサポートとして意識されそうです。終値ベースで同線を下抜けた場合は調整が加速することも考えられます。その場合は、心理的な節目となる110.00円前後や週足一目均衡表の転換線が下値目途となりそうです。一方、上値は約35年振りの水準へ上昇しています。この上の水準にはめぼしい上値目途が見当たりません。11日の高値(113.96円前後)を上抜けた場合、114.50円、115.00円といった節目が意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

予想レンジ:AUD/JPY:110.500-115.000、NZD/JPY:91.500-94.500
3/23週のイベント:
03/25 (水) 09:30 豪 2月消費者物価指数(CPI)
一言コメント:
先週末、息子が通っている少年サッカーチームの卒団式があり、私もコーチチームに入って6年生と試合をすることになりました。久々に走り回ったのですが、2日間筋肉痛が抜けませんでした。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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