来週の為替予想（豪ドル/円 NZドル/円）「豪労働市場が軟化！RBA議事録から追加利下げの可能性を探る」ハロンズ FX 2025/7/19　＃外為ドキッ

読む前にチェック！
最新FX為替情報

CFD銘柄を追加！

チャートを表示する

執筆：外為どっとコム総合研究所　中村　勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中！

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は96.61円前後で、ニュージーランド（NZ）ドル/円は88.17円前後で週初を迎えました。今週も外国為替市場は米ドル中心の動きとなりました。関税政策の影響が徐々に米国の物価に反映され始めたとの見方から米ドル/円が上昇したことにつれて、豪ドル/円は97.44円前後、NZドル/円は88.90円前後まで上昇しました。翌17日に発表された豪6月雇用統計が市場予想を下回る結果となったことで豪ドルに売り圧力がかかったことから、豪ドル/円は96.00円前後まで反落しました（執筆時）。

豪労働市場が軟化！議事録から追加利下げの可能性を探る

17日に発表された豪6月雇用統計は新規雇用者数が0.2万人増、失業率は4.3%となり、ともに市場予想（2.0万人増、4.1%）よりも弱い結果となっています。特に失業率は2021年1月以来の水準まで上昇しています。5月に豪準備銀行（RBA）が公表した金融政策報告における6月時点での四半期ベースの失業率予測は4.2％でした。そのため、月次ベースとはいえ、豪州の失業率はRBAの予想を上回りました。この結果を受けて短期金利先物では次回（8月12日）のRBA会合での追加利下げを100%織り込むとともに、それまで20%強織り込んでいた年内3回の利下げを60%強織り込むに至っています。来週は22日に7月8日に開催されたRBA会合の議事要旨が公表されます。この会合でRBAは市場の25bp（0.25%ポイント）利下げ予想に反して政策金利を据え置きました。この会合からRBAは政策決定の際の投票結果を公表しています（6対3で据え置き）。この3名の意見が公表されるのか、そしてRBAが声明の中で「依然としてひっ迫している」と評価していた労働市場が軟化した際の対応などに触れているか注目です。

NZ4-6月期CPI次第ではRBNZが利下げ再開？

NZ準備銀行（RBNZ）は7月9日に開催した金融政策会合で政策金利を3.25%に据え置きました。RBNZは2024年8月から利下げを開始し、6会合連続で合計2.25%の利下げを実施していましたため、金利据え置きは1年振りとなりました。RBNZは声明で「中期的なインフレ圧力が予想通り緩和し続ける場合、今後さらに政策金利を引き下げる見通し」との見解を示しています。21日にはNZ4-6月期消費者物価指数（CPI）が発表されます。市場はNZ4-6月期CPIは前年比+2.8%となり1-3月期の+2.5%からインフレが加速すると予想しています。RBNZも5月の金融政策報告内で「電気料金や食品価格の上昇により、インフレは年内に短期的に反発する」と予想しています。市場予想ほどNZ4-6月期CPIが高い結果とならなければ、RBNZの追加利下げ期待が高まることになりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は底堅い値動きが続いています。6月16日以降日足一目均衡表の転換線が終値ベースでのサポートとして機能していますので、引き続き同線が目先の下値目途となりそうです。その下の水準では200日移動平均線や、日足一目均衡表の基準線、同雲上限が下値目途として意識されそうです。一方上値では、7月15日高値の97.44円前後が目先の上値目途となりそうです。ここを上抜けると、次の上値目途として1月24日高値の98.76円前後が意識されそうです。

【豪ドル/円　日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ：AUD/JPY：95.00-98.50、NZD/JPY：87.00-90.00

7/21週のイベント:

07/21 (月) 07:45 NZ 4-6月期四半期消費者物価（CPI）
07/21 (月) 10:00 中国 1年物/5年物最優遇貸出金利（ローンプライムレート）、公表
07/22 (火) 07:45 NZ 6月貿易収支
07/22 (火) 10:30 豪豪準備銀行（RBA）、金融政策会合議事要旨公表