
株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっております。今回、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
6月為替相場、材料散乱で方向感定まらず 個人投資家、2カ月連続で実現益 【外為どっとコム総研FX投資家調査2025年6月】
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
取引金額は約19.5%減少
金融先物取引業協会が7月14日に公表した資料によると、2025年6月の店頭FXにおける取引金額は1078兆円と、5月の1338兆円から約19.5%減少した。主要な取引通貨ペアであるUSD/JPY(米ドル/円)の取引額が約21%減少したほか、AUD/JPY(豪ドル/円)が約24%減少したことが響いた。一方、EUR/JPY(ユーロ/円)は7%増加と奮闘した。また、月末時点の未決済ポジション合計は約8.7兆円で、前月比3.2%増加した。
通貨別では、JPY(円)の買い越し額が20%増加したほか、USD(米ドル)の買い越し額も約40%増加するなど、JPY(円)高・USD(米ドル)高を期待するFX個人投資家が多かった。
取引金額上位5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・AUD/JPY(豪ドル/円)の順で、AUD/JPY(豪ドル/円)が2位から5位へ後退した。

図1.取引金額とポジション計
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2025年6月
TRY(トルコリラ)とMXN(メキシコペソ)、明暗分かれる
FX口座数が87万件を超える株式会社外為どっとコムの協力の下、2025年6月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約59万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2025年6月2日7:00 ~ 2025年7月1日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
6月のFX取引において実現益を出した投資家の割合は60.0%と、4月の55.2%から上昇した。一方で、実現損を出した投資家の割合は39.9%と、5月の44.8%から低下した。トランプ関税とそれに伴う各国の金融政策の行方、イスラエルとイランの軍事衝突など中東の地政学リスクが交錯して、明確な強弱が定まらず、多くの通貨ペアが往来相場となったため、FX個人投資家は逆張り中心に取引に臨んだことで実現益を残した。

図2.取引参加者の損益
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・ZAR/JPY(南アフリカランド/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順。
相変わらずUSD/JPY(米ドル/円)がシェア1位を維持している。また、割安感からTRY/JPY(トルコリラ/円)を取引する参加者が増えた。一方で、メキシコ中銀が2会合連続で50bp(0.5%)の利下げに踏み切った影響で、MXN/JPY(メキシコペソ/円)のスワップポイント減額への警戒感が高まり、個人投資家はMXN/JPY(メキシコペソ/円)の取引を控えた。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。

図3.通貨ペア別取引者数
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.3万通貨(43 lots)とわずかに増加した。ただ、前月と同様に不確実性の高い相場環境が続き、個人投資家も慎重姿勢を崩しておらず、平均取引量は1-3月の平均である47.3 lotsを下回っている。
USD/JPY(米ドル/円)は、1 lotあたり5,900円の必要保証金(7/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約25万3,700円となる。TRY/JPY(トルコリラ/円)は、1 lotあたり200円の必要保証金(7/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は8,600円となる。。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。

図4.平均取引数量
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均118カ月(9年10カ月)と、前月から拡大した。

図5.口座開設期間
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では50代が31.5%でトップ。次に40代が29.8%で続き、以下、60代の14.6%、30代の12.4%と続いた。グランド・ジェネレーションを中心にミドルシニア世代が7割を超える状態が続いている。

図6.取引参加者の年齢構成
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、40代が26.6%でトップとなった。続いて、30代の25.6%、50代の19.4%、20代の16.7%となった。

図7.口座開設者の年齢構成
まとめ
2025年6月の為替相場は、米国の関税策に対する楽観的な見方と悲観的な見方が交錯する中、各国中銀の金融政策に対する見通しが定まりにくかった。また、イスラエルとイランの戦闘もかく乱要因となり、投資家は注目ポイントを絞り込めず、掴みどころが難しい相場展開だった。こうした中で、レンジ相場と見た個人投資家は上下限で逆張りを仕掛け、実現益を出した一方で、全体の取引金額が低下した点を踏まえると手が出しづらいと判断し様子見ムードを決め込んだ投資家も多数いた模様。投資家の取引姿勢は二極化した可能性がある。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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