シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円

ポイント
【円ネットロング減少】
7月1日時点で円のポジションは、ドルに対して約12.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングがショート以上に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約0.5万枚減少。
期間中のドル/円相場は、米国の景気悪化を示唆する米経済指標が続いたことで一時142.68円前後まで下落した。
一方で、トランプ米大統領は日本への関税が30~35%になることを示唆した。関税が日本経済に悪影響を与える可能性もあることから、ドル/円相場が下落したにもかかわらず投機筋は円ロングポジションの調整に動いたようだ。

ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント
【ユーロネットロング減少】
7月1日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約10.8万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング以上に、ショートが積み増されたことから、ネットロングは先週から約0.4万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事を巡る不透明感や米経済指標の悪化を受けてドルが下落する中、2021年9月以来となる1.18ドル台へ上昇した。
米国の相互関税上乗せ分の発動一時停止の期限が迫る中、欧州連合(EU)は関税が発動された場合には報復関税も辞さない姿勢を示している。ユーロ圏の景気先行き不透明感から、投機筋のユーロ先高観にやや陰りが見え始めたようだ。

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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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