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来週の為替予想(米ドル/円)「米通商戦略の不確実性は続く、三役逆転への警戒とボリンジャーバンドが示す市場の動き」ハロンズ FX 2025/5/31 #外為ドキッ

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

執筆日時 2025年5月30日 12時20分

米通商戦略の不確実性は続く、三役逆転への警戒とボリンジャーバンドが示す市場の動き

米関税策の判断で右往左往、米ドル/円146円から143円で振幅

米ドル/円は146円台へ続伸。一部報道で「財務省が2025年度の国債発行計画の年限構成を再検討する」と伝えられると、国債発行額の減額観測を受け、超長期・長期ゾーンで金利が低下し、円売りが優勢となりました。加えて、トランプ米大統領が発動した「相互関税」など一連の関税措置について、米国際貿易裁判所が恒久的な差し止めを命じたことで投資家心理が改善し、円安の流れが加速。米ドル/円は146.272円まで上昇しました。

しかし、関税策には複数の代替案があるほか、米連邦巡回区控訴裁判所が関税の差し止めを命じた米国際貿易裁判所の決定について、執行を一時的に停止する判断を下し、現行の関税措置が続くことになったため、米ドル/円は143円半ばまで下落し、今週の上昇幅の多くを失いました。

(各レート水準は執筆時点のもの)

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※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

米ドル/円、戻り売り戦略が有効?

「解放の日」関税(すべての国や地域を対象にした10%の一律関税や相互関税、中国などへの高率関税、中国・カナダ・メキシコへの合成麻薬フェンタニルに関連した関税など)をめぐっては、いずれも国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、トランプ大統領の権限で施行されてきました。控訴裁が国際貿易裁判所の判断を停止するとしていますので、現状の関税策がこの後も続くことになり、見通しへの不確実性は解消されません。

ちなみに、控訴裁での判断が国際貿易裁判所の判断と同じになっても、米国の関税政策への脅威は後退しないと思われます。なぜなら、通商法122条を根拠に最大15%の関税を150日間適用すること、同法301条に基づき調査を開始すること、さらに鉄鋼・アルミニウム・自動車への関税賦課で根拠とされた通商拡大法232条を活用することで、関税策を進めることが可能だからです。

米関税関連の法律

表1.米関税関連の法律

トランプ氏の強硬な手法が和らぐ期待はあるものの、米国は貿易不均衡の是正を目的として関税を重要な政策手段とみなしており、今後も通商政策の不確実性は高い状態が続くでしょう。したがって、関税政策を背景にした米インフレ懸念や景気減速懸念が続く中、拡張的な財政政策による米財政悪化が懸念される状況では、米国資産売りの流れに大きな変化は見られない可能性が高いです。

また、今回のことがトランプ大統領の看板政策である大規模な減税の延長を含む包括的な税制・歳出法案、いわゆる「1つの大きく美しい法案」の上院審議にも影響を与え、8月にも到達するとみられる予算上限をめぐる不安が再燃するようなら、さらに米資産売りが加速する危険もあり、注意が必要です。現時点では、足元のドル売りポジションは一時的に縮小しているものの、本格的なドル買い基調が形成される状況には至っていないように感じられます。したがって、米ドル/円は戻り売りの戦略が有効と考えられます。

142円がキーポイント(テクニカル分析)

米ドル/円のローソク足は上髭を伸ばし、上方向の重さを確認する形となっています。一目均衡表の遅行線とローソク足の位置関係から判断すると、直ちに三役逆転の状態には至らないものの、142.00円を割り込めば本格的な警戒感が高まる可能性があります。目先では、142.00円のサポート維持が重要なポイントとなるでしょう。もしこの水準を下回れば、140.00円が意識され始める展開が予想されます。

一方、上方向の動きについては、期間21日のボリンジャーバンド+1σ(146.30円、執筆時点)付近で戻り売りが強まると考えられます。

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足チャート

出所:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:
USD/JPY:141.300-146.300

6/2 週のイベント:

スケジュール

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

一言コメント

日本代表の次のワールドカップアジア予選の試合は6月5日(木)に予定されています。対戦相手はオーストラリアで、試合はオーストラリアで開催されます。この試合は、本大会でのグループ分けに影響する可能性があるため、日本にとって重要な一戦です。是非とも良い試合を期待しています。

 

 

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