中東に位置するトルコの通貨リラを取り巻く環境を分析し、トルコリラの今後の値動きを予想した。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也 X(Twitter)
リラ急落で当局が介入 外貨準備減少でリスク上昇も
トルコの外貨準備高は直近のピークだった2月の1010億ドルから4月には680億ドルに急減。エルドアン大統領の政敵であるイスタンブール市長の逮捕を受けて同国の政治リスクが高まったとしてリラが急落したことで、当局が大規模なリラ買い・外貨売り介入を実施したと見られる。トルコの外貨準備高は、2020年11月に記録したここ数年で最低の403億ドルよりは多いものの、昨年5月以来11カ月ぶりの低水準となっている。トルコ中銀の予想外の利上げなどもあってリラ安はひとまず小康状態だが、政治リスクがくすぶる中で、引き続きリラの買い手は極端に少ない状態にあると考えられる。中銀は3月中旬以降、週に30-90億ドルのペースでリラ買い介入を続けていると見られ、外貨準備高は今後も減少することが予想される。今後、過去最低の403億ドルに近付けば、介入余力が低下したと見た投機筋のリラ売り崩しに見舞われるおそれもある。原則として毎週木曜日に中銀が発表する週次の外貨準備高に注目しておきたい。
出所:トルコ中銀、ブルームバーグ
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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