
メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年3月21日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は政治リスクで最安値更新
週明け17日に4.029円前後で寄り付くと、18日には4.083円前後まで強含むなど底堅く推移していましたが、19日の欧州市場入りと同時に急落。この日、トルコ当局は次の大統領選の有力候補と目されていたイマモール・イスタンブール市長を汚職などの容疑で拘束。エルドアン大統領にとって強力なライバルなだけに、イマモール氏の拘束は政権による追い落としとの見方が強く、市場はきわめてネガティブな反応を示しました。トルコ株やトルコ国債が急落。通貨リラは対ドル、対円、対ユーロでいずれも一時10%を超える暴落となりました。対円では一時3.498円前後まで急落(約13.7%安)して史上最安値を更新。その後は、トルコ中銀のリラ買い介入(19日)や翌日物金利の緊急引き上げ(20日)で3.946円前後まで下げ幅を縮小しました。21日の東京市場では3.8~3.9円台で推移しています。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントは政治動向と中銀の対応
トルコ中銀は先週20日に緊急会合を開き、政策金利とは別の翌日物貸出金利を44.0%から46.0%に引き上げました。政治リスクを嫌気してリラが急落した当日の19日には、推定80~90億ドルの外貨売り・リラ買い介入を実施した模様です。大幅な利上げによってようやく鈍化し始めたインフレを再び押し上げる可能性があるリラ安をなにがなんでも阻止したいという中銀の姿勢が滲む一連の対応です。当面は、もしリラが再び急落する局面があれば同様の対応を取る可能性が高そうです。なお、トルコの外貨準備は一年前の同時期に比べ約37%増えていることから、リラ買い介入のために必要な外貨がすぐに枯渇するリスクは小さいと考えられます。ただし、政治リスクの高まりは海外勢のリラ売りだけでなく国内の企業や家計によるリラ資金の流出を強めかねません。そうなると、介入ではリラ安を止められなくなるでしょう。リラは今後しばらく、当局に拘束されたイマモール氏の動向や、世論の動向などを気にしながら神経質な値動きが続きそうです。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
3.700円~4.075円
基調
波乱含み
今週の注目ポイント
☆ トルコ政治
☆ トルコ中銀
・ 主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
