
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年3月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(金)の為替相場
(1):本邦春闘 昨年に続く高い伸び率
(2):英経済指標は予想を下回る
(3):独財政拡張案 合意得る
(4):米消費者マインド大幅悪化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米小売りを材料視しないわけにはいかない/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(金)の為替相場
期間:14日(金)午前6時10分~15日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦春闘 昨年に続く高い伸び率
日本労働組合総連合会(連合)が発表した2025年春闘の第1回回答集計によると、賃上げ率は平均5.46%となり昨年に続いて5%を超える高い伸びとなった。中小企業の賃上げも5.09%と33年ぶりに5%台に乗せた。ただ、円買いの反応は瞬間的で、日銀が利上げを前倒しにするほど強い伸びではなかったとの見方が広がると円売りに転じた。
(2):英経済指標は予想を下回る
英1月国内総生産(GDP)は前月比-0.1%と市場予想(+0.1%)に反して減少した。また、同鉱工業生産は前月比-0.9%と市場予想(-0.1%)を超える落ち込みとなった。ポンドは売りが強まったが、対円ではドル/円の上昇が支えとなり反発した。
(3):独財政拡張案 合意得る
ドイツの次期首相候補で中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首は、国防費増額に向けた財政拡張を巡り主要各党の合意を得たと発表。「債務ブレーキ」の緩和に向けた憲法改正に目途が立ったことにより、ドイツは防衛力の強化を急ぐことになった。なお、財政拡張法案は18日に採決される。
(4):米消費者マインド大幅悪化
米3月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は57.9と市場予想(63.0)を大幅に下回り、2022年11月以来の水準に低下した。一方、消費者の期待インフレ率は1年先が4.9%、5-10年先は3.9%にそれぞれ上昇。5-10年先の期待インフレ率は1993年以来の高水準に達した。
14日(金)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:米小売りを材料視しないわけにはいかない
14日のドル/円はポジション調整主体の動きによって終値ベースで約0.5%上昇。本邦春闘の賃上げ率(第1回回答)は2年連続で5%を超えたものの、日銀の利上げ期待は高まることなく円買い材料にならなかった。米国では3月の消費者マインドが悪化した一方でインフレ期待は大幅に上振れしており、スタグフレーション懸念が拭えなかったものの、強いドル売り材料にならなかった。短期筋のポジションがドル売り・円買いに傾いていたため、週末を前に、材料よりも調整に向けた需給が値動きを左右しやすかったと見られる。ただ149円台の上値は重く、欧州市場序盤に149.01円前後を付けた後は148円台での値動きに終始した。
トランプ米大統領の不規則発言を除けば、本日はNY市場で発表される米2月小売売上高に関心が集中しそうだ。前回の1月小売売上高は前月比で大幅に減少し、米国の景気減速懸念を強める一因となった。今回の2月小売売上高は天候の回復などを背景に前回の反動による強めの結果が予想されている(前月比+0.6%、除自動車+0.3%)。米2月小売売上高については、市場としても材料視しないわけにはいかないだろう。予想を上回れば、ドル/円は149.20-30円台の上値抵抗を上抜ける可能性がある一方、予想を下回れば147円台に押し戻されることも考えられる。
注目の経済指標:米小売売上高

注目のイベント:特になし
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
