シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショート大幅に減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング大幅に増加】
3月4日時点で円のポジションは、ドルに対して約13.4万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に積み増され、ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約3.8万枚増加し、2週連続で過去最大を更新した。
期間中のドル/円相場は、3日には151円台まで上昇する場面も見られたが、翌日には2024年10月9日以来となる148.09円前後まで下落するなど乱高下した。
トランプ米政権による関税政策が市場心理を圧迫する中、トランプ大統領が円安に批判的な考えを示したこともあって、投機筋は円先高観をいっそう強めたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショート大幅に減少】
3月4日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約1.0万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが積み増され、ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットショートは前週から約1.5万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米国とウクライナの首脳会合が決裂するなどユーロ売りが先行し1.036ドル前後まで下落したが、その後ドイツが緊縮財政から財政拡張へ転じたことで約3カ月ぶりとなる1.06ドル台まで急反発した。
ドイツ政府の財政方針転換で同国経済が回復に向かうとの期待が、投機筋のユーロ先安観の後退につながったようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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