メキシコペソ円の取引は一旦休止で【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2025/2/6
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
動画要約・まとめ
【相場展望】変動の激しい市場をどう読み解くか - 2024年2月市場分析
昨今の外国為替市場は、まさに猫の目のように変化する相場展開となっています。この状況を詳しく分析してみましょう。
■市場を揺るがす主要な要因
最近の市場を大きく動かしている要因として、以下の3つが挙げられます。
1. トランプ大統領の関税政策
メキシコ、カナダ、中国への関税に関する発言により、アメリカのインフレ加速と金利上昇の懸念が広がりました。ただし、カナダとメキシコへの関税は延期されたことで、一時的な市場の落ち着きも見られました。
2. アメリカの経済指標
比較的重要度の低い指標ではあるものの、やや弱い数値が続いており、これがドル売りの一因となっています。
3. 日本の賃金動向
予想を上回る賃金統計により、日銀の利上げ時期が前倒しされるのではないかという憶測が生まれ、円高の要因となっています。
■主要通貨ペアの見通し
【ドル円】
現在151円台から152円台を推移しており、予測が非常に困難な状況です。チャート的には150円まで下落する可能性も示唆されていますが、明確なトレンドを形成するような材料に乏しい状況です。
【ユーロドル】
ユーロ圏の金利低下傾向と経済状態の弱さを考慮すると、まだ下落余地があると考えられます。1.04台での戻りを見てショートポジションを取る戦略が有効かもしれません。
【メキシコペソ】
7.4を割り込む展開となっていますが、トランプ氏のメキシコに対する厳しい姿勢を考慮すると、現時点での新規参入は控えめにした方が賢明でしょう。7.0まで下落する可能性も視野に入れる必要があります。
■今後の取引戦略
現在の市場環境では、長期的なトレンドに基づく取引よりも、日々の材料に即応した機動的な取引が求められます。これは「日替わりランチ」のように、毎日異なるテーマで相場が動いているためです。
重要なポイントは以下の通りです:
- 単一のストーリーに固執せず、柔軟な視点を持つ
- 日々の材料をこまめにチェックする
- ポジションの保有期間を比較的短めに設定する
- リスク管理を徹底する
■結論・まとめ
現在の市場は予測が非常に困難な状況にあります。ユーロドルのショート戦略には相対的な妙味があり、注目に値します。ただし、どの通貨ペアにおいても、過度な期待は禁物であり、慎重な取引姿勢が求められます。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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