「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
トランプ関税発動と市場への影響
FX市場(ドル円)の詳細な分析と今後の展望
1. 本日の主な市場動向
- 14時に大きな下落相場が出現
- アメリカの中国への関税負荷発動のニュースを契機にドル売り円買いの展開
- 昨日のニューヨーク市場では大きく切り返して上昇したものの、上値が重たい状態
- 155円を割り込む展開となり、その後のボラティリティが上昇
2. 各国の対応状況
メキシコ・カナダ関連:
- フェンタニル(合成麻薬)対策について両国が対応を約束
- これを受けて関税発動を1カ月間見送り
- 市場はこれを好感し、一時的なリスク回避の動きが緩和
中国関連:
- アメリカが10%の追加関税を発動
- 中国側の対抗措置(2月10日から実施予定):
- 石炭・LNGに15%の関税
- 原油、農機具、一部自動車に10%の追加関税
- さらなる報復措置の可能性も示唆
3. ドル円のテクニカル分析の詳細
日足チャートの状況:
- 10日線と80日線に挟まれた展開が継続
- 変動幅が徐々に縮小傾向
- 明確な方向感が出ていない状態
価格帯分析:
- 下限:154円近辺
- 上限:156円近辺
- 約2円幅のレンジ相場が継続
- 日中では2円程度の値幅を伴う展開も
60分足の分析:
- 154円割り込み時に下げを伸ばして反発するパターン
- 155.80-156円付近が重要な価格抵抗帯
- 156円を明確に突破した場合は、155.50円や157円が次の注目ポイント
4. トレード戦略とリスク管理
推奨される取引スタイル:
- 現状はスイング・長期トレードよりもデイトレード向き
- スキャルピングなど短期的な取引が有効
- こまめな利益確定を心がける
リスク管理のポイント:
- 事前にエントリー・エグジットポイントを明確化しておく
- 荒い値動きに備えた適切なポジションサイズ管理
- 初心者は1ロットからの取引開始を推奨、経験を貯める機会に
5. 今後の注目ポイント
短期的な観点:
- 米中間の更なる関税の応酬の可能性
- 市場のボラティリティ上昇の可能性
- 主要な価格帯(154円、156円)でのブレイク方向
中長期的な観点:
- トランプ政権下での4年間、同様の相場環境が継続する可能性
- 貿易戦争の激化リスク
- 各国の経済指標や政策動向
結論:
現在の相場環境は米中貿易摩擦を起点とした不安定な展開が続いており、今後トランプ政権の4年間にわたってこのような相場環境が継続する可能性が高い。このような状況下では、短期的な取引を中心とし、明確なエントリー・エグジットポイントを定めた取引戦略が有効と考えられる。また、現在の相場環境は、適切なリスク管理の下で取引経験を積むための良い機会となる可能性がある。情報収集と分析を怠らず、自身の取引スタイルに合わせた戦略構築が重要となる。
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『最新のドル/円相場を解説』
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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