主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年1月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(木)の為替相場
(1):豪小売売上高 予想を下回る
(2):さくらレポートで円売り
(3):独鉱工業生産は大幅な伸び
(4):BOE副総裁「追加利下げに前向き」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米雇用統計は159円台へ上伸する手掛かりとなるか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(木)の為替相場
期間:9日(木)午前7時10分~10日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪小売売上高 予想を下回る
豪11月小売売上高は前月比+0.8%と市場予想(+1.0%)ほどには増加しなかった。同貿易収支は輸出の伸びを背景に70.79億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(55.50億豪ドル)を上回った。
(2):さくらレポートで円売り
日銀支店長会議の報告(さくらレポート)で、各地域の企業における2025年の賃上げについて、前向きな声と慎重な声が混在していることが示された。日銀が月内の利上げに踏み切る手掛かりとしては弱いとの見方から、やや円売りに傾いた。
(3):独鉱工業生産は大幅な伸び
独11月鉱工業生産は前月比+1.5%と予想(+0.5%)以上の伸びとなった。同貿易収支は197億ユーロの黒字で、輸入の減少を背景に黒字額は市場予想(145億ユーロ)を上回った。
(4):BOE副総裁「追加利下げに前向き」
英中銀(BOE)のブリーデン副総裁は、追加利下げには前向きだと述べ、足元の英国債利回りの急上昇については特に問題視していない姿勢を示した。国債利回りの急伸およびポンドの下落は「秩序ある」市場の動きの結果であり、米国債や欧州債にも影響を与えている世界的な要因を反映したものだと述べた。
9日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米雇用統計は159円台へ上伸する手掛かりとなるか
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%の小幅安。米長期金利の上昇が一服する中、ドル売り・円買いがやや優勢だった。なお、前日に8カ月ぶりの水準に上昇していた米10年債利回りは、一時5bp(0.05%ポイント)程度低下したが、クローズにかけて持ち直した。ドル/円も一時157.50円台へと弱含んだが、利回りの持ち直しにつれて158円台を回復した。
本日は、米12月雇用統計が最大の見どころとなる。市場予想は非農業部門雇用者数16.5万人増、失業率4.2%、平均時給前年比+4.0%などとなっており、米労働市場が依然として堅調であることを示すと見られている。ドル/円が8日に付けた158.55円前後を超えて半年ぶりの159円台へ上伸する手掛かりとなるか注目だ。もっとも、12月は前半を中心に米新規失業保険申請件数が増加するなど、労働関連の経済指標はやや軟化が目立つ。12月雇用統計が期待したほどの結果にならないリスクもそれなりにありそうだ。ドル/円が反落した場合は、日足一目均衡表の転換線(157.28円前後)が下値支持となるか注目したい。
注目の経済指標:米雇用統計
注目のイベント:シカゴ連銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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