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ドル/円の1月見通し「利下げに慎重なFRBと利上げに慎重な日銀」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月のドル/円ポジション動向
・1月の日・米注目イベント
・ドル/円 1月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円 12月の推移

12月のドル/円相場は148.644~158.085円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約5.0%上昇(ドル高・円安)した。韓国の尹大統領が突然の「戒厳司令」を宣布したことを受けて148.64円前後までリスク回避の円買いで下落したが、早々に上昇に転じた。トランプ米次期大統領の減税や関税を巡る政策がいずれもインフレを押し上げると見られる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は新政権発足後に利下げのペースを落とさざるを得ないとの観測が高まった。一方、日銀が12月18-19日の金融政策決定会合で追加利上げを見送るとの観測報道が相次いだことからドル買い・円売りが優勢だった。18日、実際に米連邦公開市場委員会(FOMC)が翌年の利下げペース鈍化を示唆すると155円目前まで上昇。翌19日に日銀が利上げを見送ると、一気に157円台を回復した。その後は海外勢のクリスマス休暇などを背景に動意が鈍ったが、下値は堅く高値圏を維持。休暇明けの26日には158.09円前後まで上昇して7月17日以来の高値を付けた。年末に向けてやや水準を下げると157.22円前後で2024年の取引を終えた。

始値 高値 安値 終値
149.646 158.085 148.644 157.224


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

3日
米10月JOLTS求人件数は774.4万件と市場予想(751.9万件)を上回り、前月(737.2万件)から増加。韓国大統領が突然の戒厳令を宣布したことで下落していたドル/円は米10月JOLTS求人件数を受けて下げ幅を縮小した。

4日
米11月ADP全国雇用者数は14.6万人増と市場予想(15.0万人増)を下回った。また10月分も23.3万人増から18.4万人増へと下方修正された。米11月ISM非製造業景況指数は52.1と市場予想(55.7)以上に前回(56.0)から低下した。

6日
米11月雇用統計で非農業部門雇用者数は22.7万人増と予想(22.0万人増)をわずかに上回った。ハリケーンやストライキの影響があったと見られる10月分は1.2万人増から3.6万人増へ小幅に上方修正された。11月失業率は4.2%と10月(4.1%)から悪化。市場予想(4.1%)も上回った。平均時給は前月比+0.4%、前年比+4.0%と予想(+0.3%、+3.9%)を上回り、堅調な伸びを維持した。

11日
米11月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%と市場予想通りに前月(+2.6%)から加速。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.3%と市場予想通りだった。12月利下げの妨げにはならないとの見方から初動はドル売りに傾いたが、インフレ高止まりによって今後の利下げペース鈍化が意識され、米10年債利回りが上昇に転じるとドルを買い戻す動きが強まった。

13日
共同通信は「日銀、12月の利上げ見送り検討」と報道。トランプ次期米大統領による追加関税などを巡り、米経済の先行きに不透明感が高まっている上、25年春闘の賃上げ動向も確認したい考えで、利上げを急ぐ必要はないとの判断に傾きつつあると伝えた。前々日のブルームバーグ、前日のロイターに続き3日連続で日銀利上げ見送りの観測報道が伝わった。

17日
米11月小売売上高は前月比+0.7%と市場予想(+0.6%)を上回った。一方、自動車を除いた売上高は前月比+0.2%と市場予想(+0.4%)を下回った。なお、国内総生産(GDP)の算出に用いられる、自動車、ガソリン、建材、外食を除いたコア売上高は前月比+0.4%と市場予想に一致した。

18日
FOMCは大方の予想通りに政策金利であるFF金利の誘導目標を4.50-4.75%から4.25-4.50%へと25bp(0.25%ポイント)引き下げた。声明では今後の利下げに関するフォワードガイダンスとして「追加的調整の程度とタイミングを検討する上で、データや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める」と表明した。同時に公表した経済予測の政策金利見通し(ドットチャート)では2025年末のFF金利水準を3.875%と前回(9月時点)の3.375%から上方修正。2025年の利下げは2回にとどまるとの予測を示した。パウエルFRB議長は会見で「今回の行動により、政策金利をピーク時から100bp引き下げたことになり、現在の政策スタンスは顕著に景気抑制の度合いが弱まった」と指摘。それにより「さらなる金利変更を検討する際には、より慎重になるべき」と述べた。また、「インフレ目標を達成するためにさらなる労働市場の抑制が必要だとは思わない」「金利は中立水準に著しく近くなった」との認識を示した。

19日
日銀は大方の予想通り政策金利を0.25%に据え置いた。声明にも目立った変化はなく、「引き続き2%の『物価安定の目標』のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」と表明。植田総裁は会見で、追加利上げのタイミングについて「さまざまなデータや情報を丹念に点検したうえで判断していく必要がある。賃金と物価の好循環の強まりを確認するという視点から今後の賃金動向についてもう少し情報が必要だと考えている」などと発言した。

12月の各市場

12月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の日・米注目イベント

ドル/円 1月の見通し

ドル/円相場は、昨年2024年まで4年連続で上昇。今年2025年は過去最長となる5年連続の上昇を達成できるか注目だ。キーポイントは昨年7月に付けた直近高値の161.95円で、これを上抜けるようなら1986年以来39年ぶりの165円台への上伸が視野に入るとともに5年連続の上昇が現実味を帯びることになりそうだ。まずは1月の相場展開が注目されよう。1月の金融政策については、米連邦準備制度理事会(FRB)が9割方利下げを見送ると見られている一方で、日銀は0.50%への利上げを4割程度の確率で行うと見込まれている。FRBに関しては、昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利下げに慎重な姿勢を示したばかりとあって、1月10日に発表される米12月雇用統計がよほど大幅に悪化しない限り、29日の利下げ見送りは濃厚だろう。20日に就任するトランプ次期米大統領の存在も相まって米長期金利は高止まりが予想され、ドルを支えると見る。日銀については、会合が近付くにつれて観測報道に一喜一憂しそうだが、1月24日の発表当日まで利上げか据え置きかを市場が完全に織り込むことはないだろう。もっとも、植田日銀総裁は、追加利上げを巡るチェックポイントとしてトランプ米次期政権の政策と本邦企業の賃上げ動向を挙げていることから、1月も利上げを見送ると読むのが自然であろう。1月は、利下げに慎重なFRBと利上げに慎重な日銀のコントラストによって緩やかにドル高・円安が進む展開が予想される。
(予想レンジ:153.500~161.500円)

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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