オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・NY原油先物市場は大幅続落。終値は前営業日比-3.25ドルの1バレル=70.58ドル(10月15日)。
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・10月1日に発表された豪8月小売売上高は前月比+0.7%と市場予想(+0.4%)を上回った。
・9月25日に発表された豪8月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%となり、市場の予想通り前月(+3.5%)から鈍化した。7月31日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+3.8%となり、市場予想通りに前四半期(+3.6%)から加速した。
・9月24日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。その後ブロック総裁は「今回は利上げをまったく検討しなかった」ことを明らかにした。
・9月19日発表の豪8月雇用統計は、雇用者数が4.75万人の増加と市場予想(2.60万人増)を上回った。また失業率と労働参加率はそれぞれ市場予想通り4.2%、67.1%とともに前回から横ばいだった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
カナダ、NZのインフレが大幅低下 豪州の利下げ期待も高まる?
今朝発表された、豪州の隣国であるニュージーランド(NZ)の7‐9月期CPIは前年比+2.2%と予想通り前期の+3.3%から鈍化を示した。NZ準備銀行(RBNZ)のインフレ目標は1~3%内(平均2%付近)である。NZのインフレは2021年1‐3月期以来3年半ぶりにRBNZのインフレ目標範囲内に収まった。また、昨日発表されたカナダの9月CPIは前年比+1.6%まで鈍化(前月は+2.0%)している。カナダ中銀のインフレ目標も1~3%のレンジ内だ。豪州と同じ資源国通貨に分類される両国は既に0.75%の利下げをそれぞれ実施している。豪州は月次CPIこそRBAのインフレ目標(2~3%)内まで鈍化しているが、RBAが重視する四半期CPIはまだレンジ上限を上回っている。豪州は労働市場が非常に強いこともあり、依然として利下げ開始を見通せる状況ではない。ただ、明日(17日)発表される豪9月雇用統計の結果次第では、RBAの年内利下げ開始への市場の期待が高まることになりそうだ。
本日は豪州や中国にて主要な経済指標の発表は予定されていないため、昨日同様に中国や欧米の株価指数の動向を意識した値動きとなりそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米中株価動向
17日 9:30 豪9月雇用統計
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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