シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング増加】
9月3日時点で円のポジションは、ドルに対して約4.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたため、ネットロングは前週から約1.5万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、氷見野日銀副総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したことなどにより一時147円台まで上昇したが、植田日銀総裁が引き続き緩和度合いを調整する方針を示したことなどにより145円台へ反落した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が秒読み段階に入った一方で、日銀は慎重ながらも緩やかな利上げの方針を維持していると見られることから、投機筋はドルに対する円の先高観を強めているようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
9月3日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約10.0万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングよりもショートの取り崩し量が大きかったことで、ネットロングは前週から約0.7万枚増加した。
期間中のユーロ/ドルは、ドイツやユーロ圏の消費者物価指数がインフレ速度の減速を示したことなどにより1.10ドル台まで下落した。
ただ、投機筋は欧州中銀(ECB)の利下げペースが米連邦準備制度理事会(FRB)よりも緩やかなものになると予想しており、ユーロが下落したにも拘わらずユーロ強気を維持しているようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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