主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年5月29日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(火)の為替相場
(1):鈴木財務相「必要に応じ万全の対応」
(2):豪小売売上高は2カ月ぶりに増加
(3):米消費者信頼感指数は上昇
(4):米債入札は低調な結果
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:介入警戒と先高期待の綱引きになりやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(火)の為替相場
期間:28日(火)午前6時10分~29日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):鈴木財務相「必要に応じ万全の対応」
鈴木財務相は「いまの時点では円安がもたらすマイナス面が強く懸念される状況にある」と明言。その上で「引き続き為替市場の動向をしっかりと注視し、必要に応じ万全の対応を行っていきたい」と述べた。
(2):豪小売売上高は2カ月ぶりに増加
豪4月小売売上高は前月比+0.1%と市場予想(+0.2%)には届かなかったが2カ月ぶりに増加した。
(3):米消費者信頼感指数は上昇
米5月消費者信頼感指数は102.0と予想(96.0)に反して前回(97.5)から上昇。上昇は4カ月ぶり。雇用に関する指数はマチマチで「雇用が十分にある」との回答は減少したが、「仕事が見つけにくい」との回答も減少した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「利上げの確率は低いが、選択肢からは何も排除したくない」などと述べたことも相まってドルが上昇した。
(4):米債入札は低調な結果
米5年債入札(700億ドル)は応札倍率が前回を下回るなどやや不調だった。これより前に行われた2年債入札(690億ドル)も同様だったことで米長期金利が上昇。これを受けてドル/円は157円台へと上伸した。
28日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:介入警戒と先高期待の綱引きになりやすい
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。156円台後半で一進一退の動きが続いていたが、NY市場で157円台に乗せるとクローズ間際には157.20円付近まで上昇した。米5月消費者信頼感指数の予想外の改善や米国債入札後の長期金利上昇を受けてドル買い・円売りが優勢となった。
本日は、今月1日に政府・日銀による円買い介入が発動されたと見られる157.40-50円の水準を意識した値動きとなりそうだ。なお、鈴木財務相は昨日、円安について「マイナス面が強く懸念される状況にある」と明言。その上で「必要に応じ万全の対応を行っていきたい」と述べた。前回と同水準で実際に介入を再発動するのは難しいと見るが、市場に警戒感が広がる中で157円台後半へ続伸すれば値動きが急速に不安定化することも考えられる。本日のドル/円は介入警戒と先高期待の綱引きになりやすいだろう。
注目の経済指標:独消費者物価指数
注目のイベント:NY連銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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