オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
本日10:30 豪4月CPI発表!
・4月24日に発表された豪1‐3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+3.6%となり、前四半期(+4.1%)から鈍化したが市場予想(+3.5%)を上回った。同時に発表された豪3月CPIは前年比+3.5%で前月(+3.4%)から上昇した。
・NY原油先物市場は続伸。中東の地政学リスクが再び意識されたほか、石油輸出国機構(OPEC)プラスが今週末の閣僚会合で7-9月期も原油の自主減産を継続する公算が大きいことが買い材料となった。終値は前営業日比+2.11ドルの1バレル=79.83ドル(5月28日)。
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・5月16日発表の豪4月雇用統計は、雇用者数が3.85万人の増加と市場予想(2.37万人増)を上回ったものの、失業率は4.1%へ悪化(前回:3.9%)、労働参加率は66.7%だった。
・5月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
豪4月CPIは期待通り鈍化を示すか?
本日は豪4月CPIが発表される。市場予想は前年比+3.4%で前月(+3.5%)から鈍化となっている。昨日(28日)に発表された豪4月小売売上高が前月比+0.1%と大幅な伸びを示さなかった。豪州の家計消費意欲の弱さが、インフレ鈍化の一因となっていることが推測される。あとは、前月のインフレ反発の大きな要因となった住宅や保健及び金融サービスのインフレがどうなっているかだろう。市場予想通りの結果であれば、RBAの中立スタンスに変化はないと見ている。
仮に市場予想を下回った場合は、豪州の早期利下げ期待が幾分か高まりそうだ。豪州の月次CPIは2022年12月に+8.4%でピークを付けて以降、23年12月から24年2月は3カ月連続で+3.4%を記録したのが最も低い数値となっているためだ。
想定される個別シナリオ
■豪4月CPIが前年比+3.4%を下回る
⇒+3.4%以下は2021年12月以来の低水準
⇒RBAによる早期利下げ期待が高まる
⇒豪ドルは売られる
豪ドル/円 最新チャート分析
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豪4月消費者物価指数(CPI)
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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