このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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メキシコGDP世界12位へ 11位のロシアが射程圏に
国際通貨基金(IMF)によると、2023年のメキシコの名目国内総生産(GDP)は1兆7889億ドルで韓国、豪州を抜いて世界14位から12位に浮上した。米政府の脱中国政策などで米企業のニアショアリング(生産拠点の近隣移転)が進んだ恩恵を受けたほか、メキシコへの資金流入に伴うペソ高によってドル建てのGDPが増加した。米CNNは今週、「米中貿易戦争の勝者はメキシコ」だと、あらためて報じている。こうした動きは、今年11月の米大統領選でバイデン現大統領が勝ってもトランプ氏が返り咲いても続くと見られる。米CNNは大手米証券の試算として、メキシコの対米輸出は今後5年間で約34%増加するとの見方を紹介した。なお、前述の世界GDPランキングでは11位のロシアとの差が2000億ドル余りに縮まっている。ロシア経済がウクライナとの戦争長期化で疲弊する一方、メキシコの経済成長が続くとすれば、2024年にも逆転する可能性は小さくないだろう。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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