主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月15日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(金)の為替相場
(1):英月次GDPは予想通りの伸び
(2):中国貿易黒字は予想を下回る
(3):イランの報復攻撃の可能性が高まりリスクオフの動き
(4):ミシガン大消費者信頼感指数は予想を下回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:高値を更新する可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(金)の為替相場
期間:12日(金)午前6時10分~13日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英月次GDPは予想通りの伸び
英2月国内総生産(GDP)は前月比+0.1%と市場予想通りの伸びとなった。なお、1月分は前月比+0.3%に上方修正された(速報値+0.2%)。英2月鉱工業生産は前月比+1.1%(予想±0.0%)、英2月貿易収支は142.12億ポンドの赤字(予想145.00億ポンドの赤字)だった。
(2):中国貿易黒字は予想を下回る
中国3月貿易収支は585.5億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(691.0億ドル)を下回った。輸出が前年比-7.5%と5カ月ぶりのマイナスとなった。輸入も前年比-1.9%と振るわなかった。
(3):イランの報復攻撃の可能性が高まりリスクオフの動き
「イスラエルは数日中のイランからの直接攻撃を警戒している」とする関係者の発言が伝わった。「攻撃は早ければ向こう48時間以内に行われることが予想される」とも報じられたことで市場はリスクオフに傾いた。欧米株の下落や米債利回りの低下を受けて円を買い戻す動きが強まるとドル/円やクロス円は下落した。ただ、リスク回避のドル買いも入ったためドル/円は下げが一巡すると反発した。なお、米国のバイデン大統領はその後、「イランが遅かれ早かれイスラエルを攻撃すると予想」とした上で「我々はイスラエル防衛に専念している」「イランは成功しないだろう」と述べた。
(4):ミシガン大消費者信頼感指数は予想を下回る
米4月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は77.9と市場予想(79.0)を下回った。ただ、消費者の期待インフレ率は1年先が3.1%、5-10年が3.0%と予想および前回(いずれも2.9%、2.8%)を上回った。
12日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:高値を更新する可能性も
12日のドル/円は売買交錯。欧州勢の参入直後に153.39円前後まで上昇して34年ぶりの高値をわずかに更新したが、イスラエルがイランの攻撃に備えているとの報道が伝わると円を買い戻す動きが強まり反落した。ただ、NY市場では中東情勢の緊迫化を意識したドル買いも入り、152.59円前後で下げ止まると153.30円付近まで反発して取引を終えた。なお、週末13日(日本時間14日)には実際にイランがイスラエルに向けてドローンや弾道ミサイルで攻撃を実施。もっとも、イランは「(報復の)目的は達成された」として攻撃の終了を示唆しており、イスラエル側が「報復の報復」にさえ出なければ、この問題がこれ以上拡大することはなさそうだ。
本日も中東の地政学リスクを意識せざるを得ないが、警戒感はむしろやや後退することになるだろう。ドル/円は米債利回りの動きがカギと見ており、前週末に中東リスクで低下した反動で利回りが上昇すれば再び34年ぶりの高値を更新する可能性もあろう。世界の株式市場や原油相場にも注目だ。
注目の経済指標:米小売売上高
注目のイベント:FRB高官発言
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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