個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2023年11月8日14時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
先週の雇用統計はドルが単独で売られました。
気になった値動きとしては、ドル/円が下落するのに、クロス円が上昇していたことです。
米金利も低下し、明らかにドルストレートでドル売りが目立っていたのですが、その次に弱い先進国通貨は日本円でした。
今週月曜から、ドル/円もクロス円も上昇しています。
つまり、日本円がまた買われずに世界からおいていかれる状況が続いたのです。
本日も押し目もほとんどなく推移しているドル/円です。再び152円方向に向かって徐々に切り上げていくのではないでしょうか？
目次
▼またも円だけ買われない！？ドル/円とユーロ/円を同時持ちが吉か？
▼リスクオンでもオフでも、10月はユーロ/円は上昇
▼ユーロ/円、月足ターゲット170円か？
またも円だけ買われない！？ドル/円とユーロ/円を同時持ちが吉か？
出所：TradingView
ドル/円4時間足から分析していきます。四角で囲った箇所をご覧ください。
実は7月以降、大陰線を出現させたのち、下落がつづくことなく短期間で全戻しとなるケースが多発しております。
この後の値動きはと言うと、直近高値を大きく更新した値動きばかりです。
7月下旬以降、ドル/円は137円台から現在の150円まで上昇を続けたのですが、この似たような値動きは7月以降、カウントしましたら8−9回程度ありました。
完全な金利差でのジャブが効いているように感じており、従来のテクニカル分析トレードが通用しないマーケットが続いております。
明確にドルが金利を下げることを確信できない限り、やはりドル/円は上昇の一途を辿るしかないように感じます。
またユーロ/円も同じく、似たような値動きで上昇しており、つまり円だけがこのリズムで通貨安が目立っている状況です。
この仮説をもとに、従来の上昇リズムで考えますと、来週には151円台後半、そして再来週には152円超えといった具合で上昇トレンド継続となるのではないでしょうか？
従来のテクニカル分析がワークしにくい環境下ですが、ここ4カ月のドル/円の値動きと照らし合わせると、大陰線確定後の次の足からの買いトレードは凡そうまく入っているケースばかりでした。
値動きは明らかに例外ですが、このトレード手法を短期的には取っていくべきか？と考えを改めはじめております。
リスクオンでもオフでも、10月はユーロ/円は上昇
出所：TradingView
続いて、ユーロ/円4時間足です。
アセンディングトライアングルを形成中です。
中東戦争の停戦提案の話題もあがり、ユーロが買われている状況です。
また、リスクオフ資金の逃避先としてもスイスフランほどではありませんが選ばれており、どちらに転んでもユーロ高が続いている状況です。
10月初旬、155円台を一時割り込みましたが、その後は順調に上昇トレンドを継続しています。
戦争がよりカオスになろうが、和平合意となろうが、ユーロは買われやすいのかもしれません。
常に先進国通貨のランキング下位に位置している日本円ですから、ここはドル/円とユーロ/円を同時持ちしてスイングしていく戦略に切り替えようと考えました。
十年前ならば、リスクオフで大きく日本円が買われておりましたが、本コラムで何度もお伝えしている通り、リスクオフでも円が買われません。リスクオンでも買われません。
各国との金利差の影響も相まって、断続的な円安がもう数カ月ぐらい続くイメージを持ち始めました。
ユーロ/円、月足ターゲット170円か？
出所：TradingView
ユーロ/円月足です。
前述の流れを踏まえて、ユーロの高値を意識しておきましょう。
リーマンショック前は170円手前で推移していた時期がありました。
欧州圏もインフレ率が順調に低下しておりますが、まだ米国ほどではありません。
中期的にまだ政策金利は引き下げられないでしょう。代わりにドルの金利が低下した際にはユーロ/ドルが上昇し、ユーロ/円が上昇しました。これが金曜日の値動きです。
よって、ドル金利低下＝ユーロ高です。
この大きな潮流の中、ドル/円も当然下落したものの、ユーロ買いに押し負け、ユーロ/円上昇という形で現れました。この値動きは続くと思います。
ドル金利低下＝ユーロ高＝ユーロ/円上昇という絶妙なバランスも考慮すると、ドル/円ロングの保険としてユーロ/円ロングも同時持ちが結論なのではないかと考えた次第です。しばらくこの戦略で買いトレードを狙ってみたいと思います。
【ひろぴー氏出演動画】
ひろぴーFX＆Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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