ドル/円、日銀YCCの再柔軟化も…円安加速で年初来高値(150.78円)を窺う展開
東京市場のドル/円は、150円台を回復。日銀が長期金利の上限目途を1.0%に引き上げる柔軟化を発表したものの、前日の観測報道通りだったことから円売りに傾くと一時150.20円台に上伸しました。
15時30分からの植田日銀総裁の記者会見では、「金融市場で円滑な金利形成が行われるようイールドカーブ・コントロール(YCC)運用の重要性を高めておくことが適当」「米金利が大きく上昇し、日本にも金利上昇が及んだ」「10年金利が1%を大幅に上回ると見ていない」などと発言。日銀の金融緩和策がまだ続くとの見方から円売りが加速しました。
また、19時に公表された外国為替平衡操作の実施状況から、9月28日~10月27日の間に日本政府・日銀による円買い介入が実施されていなかったことが分かると、ドル/円は150.76円前後まで上値を拡大しました。その後は、鈴木財務相が「為替は色々なことで決まる」などと発言したことなどから年初来高値(150.78円前後)を前に様子をうかがう展開となっています。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きを維持しており、上昇基調が継続しています。また、RSIが50ライン付近から急上昇しており足元の勢いが強まっています。年初来高値を上抜くと昨年高値 (151.94円前後)を視野に入れた展開となる可能性もあります。
ドル円 日足チャート
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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