ドル/円、年初来高値(150.78円)を更新…今夜は米7-9月期GDPに注目
東京市場のドル/円は、年初来高値を更新する展開。仲値公示にかけてドル買い・円売りが強まり、午後に入ると米長期金利の上昇を受けて150.50円前後まで上伸しました。欧州市場でも流れは変わらず昨年10月21日以来の150.78円前後まで上値を拡大しました。しかし、その後に一時149.86円前後へ急落するなど神経質な値動きとなっています。
今夜は欧州中銀(ECB)が金融政策を発表します。今回は政策金利の据え置きが予想されており、市場では、ラガルド総裁が次会合以降の追加利上げの可能性を示唆するかに関心が集まっています。また、米7-9月期国内総生産(GDP)・速報値の結果も関心を集めるでしょう。市場予想では前期比年率+4.5%と高い伸びが見込まれています。これらの結果を受けてドルが続伸するか注目です。ドル/円が一気に151円台を試す展開となれば日本政府・日銀による円買い介入が入る可能性も浮上しそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、9月末より上値抵抗となったアセンディングトライアングルの上限をブレイクすると150.78円前後まで上伸しています。前日終値で150円を突破したことで市場の目線は一段上がった可能性があります。10・20・80日移動平均線が上向きで10日線が下値を支えている状態が続いているためさらなる上値を試すことが考えられます。次のターゲットになるのは昨年高値151.94円前後となりますが、151.00円などのキリ番となる水準も意識される可能性があります。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
10/26(木)
20:00☆トルコ中銀政策金利
21:00 メキシコ9月失業率
21:15☆ECB政策金利
21:30☆米7-9月期GDP・速報値
21:30☆米7-9月期GDP個人消費・速報値
21:30 米7-9月期コアPCEデフレーター・速報値
21:30 米9月耐久財受注
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 米9月卸売在庫
21:45☆ラガルドECB総裁記者会見
22:00 ウォラーFRB理事講演
23:00 米9月住宅販売保留指数
23:00 カンリフBOE副総裁講演
26:00 米7年債入札(380億ドル)
----- アマゾン・ドット・コム7-9月期決算
----- EU首脳会議
10/27(金)
08:30 日本10月東京区部消費者物価指数
09:30 豪7-9月期生産者物価指数
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
今日の注目トピック
今夜20時にトルコ中銀が金融政策を発表します。政策金利は前回と同じく500bp(5.00%ポイント)の利上げが予想されています。トルコのインフレ率は前年比+61.53%であり実質金利は大きくマイナスであることには変わりませんが 、着々と金融政策の正常化を進めています。そうしたことからトルコ中銀やトルコリラへの信頼が回復することになればトルコリラ相場が転換することにつながりそうです。
トルコ中銀ライブ 今夜19時45分~
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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