シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村 勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショートやや増加】
8月29日時点で円のポジションは、ドルに対して9.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが取り崩されたことで、ネットショートは前週から約0.3万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、一時144.54円前後まで下落したものの、ジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が追加利上げに言及したことや、中国の景気支援策への期待などから上昇に転じ、147.37円前後と年初来高値を更新した。
日米金利差の拡大から投機筋が円ロングを減らしたと見られ、ドル/円相場を支える一因となったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング大幅減少】
8月29日時点でユーロのポジションは、ドルに対して14.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが積み増され、ロングが取り崩されたことからネットロングは前週から約1.2万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の経済減速懸念が高まったほか、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が追加利上げに言及したことで1.07660ドル前後まで下落した。
欧州中央銀行(ECB)の追加利上げに対する期待がわずかに低下したことも、投機筋がユーロロングポジションを解消する材料となったようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング大幅減少】
8月29日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.8万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが大幅に積み増されたことから、ネットロングは前週から約1.1万枚減少した。
期間中のポンド/ドル相場は、英国の景況感が悪化したことに加え、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が追加利上げに言及したことで一時1.25475ドル前後まで下落。
僅かながら英中銀(BOE)の追加利上げ期待が後退したことにより、投機筋の強気姿勢が後退したようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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