オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・NY原油先物市場は続伸。ハリケーン「イダリア」がフロリダに上陸したことから石油精製施設への影響が懸念されたこと、石油輸出国機構(OPEC)加盟国のガボンでクーデターが発生して先行きが不透明なことなどが買い材料となった。終値は前営業日比+0.47ドル高の1バレル=81.63ドル(8月30日)。
・7月26日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+6.0%となり、前四半期(+7.0%)から鈍化した。8月30日に発表された豪7月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(前月+5.4%)だった。
・8月17日発表の豪7月雇用統計は、雇用者数が市場予想(1.50万人増)を大きく下回る1.46万人の減少だった。失業率は3.7%(前月:3.5%)へ悪化、労働参加率は66.7%となった。
・8月1日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.10%で据え置きとなった。
今日のメインシナリオは
米PCEの低下は豪ドル買いの材料?
中国当局はこのところ株式取引にかかる印紙税の減額や、住宅ローン規制を緩和するなど、矢継ぎ早に景気支援策を打ち出している。これが中国と交易関係の強い豪ドルを支える一因となっている。本日は中国国家統計局が集計する中国8月製造業購買担当者景気指数(PMI)と中国8月非製造業PMIが発表される。両指標ともに市場は前月よりも悪化を予想している。仮に結果が予想を下回った場合は、中国景気回復に対する期待感が剥落しリスクオフの豪ドルに売りに繋がりそうだ。
他方で、本日は米8月個人消費支出(PCEデフレーター)の発表も控えている。PCEは米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する経済指標の一つだ。前月よりも低下していた場合、FRBの追加利上げ期待が後退することになりそうだ。その場合は、米金利の低下を好感して米国株価指数が上昇、リスクオンの豪ドル買いに繋がる可能性があるため注目したい。
この先の個別相場変動
■米7月PCEが低下していた
⇒米国のインフレは低下基調を継続
⇒FRBの追加利上げ観測が後退
⇒米長期金利が低下
⇒金利の低下を見て米株指数が上昇
⇒リスクオンの動きとなり豪ドルは買われる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
中国8月製造業PMI/非製造業PMI
米7月PCEデフレーター
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは曇り空に雨がぱらつく。7時に豪ドル/円の移動平均で売りシグナルが、豪ドル/円と豪ドル/米ドルのRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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