総括
FX「経済はコントロール出来ないが、人民元はコントロール出来ている」人民元見通し
(通貨7位、株価11位)
予想レンジ 人民元/円19.7-20.2
(ポイント)
*景気減速も人民元は管理されて安定
*日本(原子力汚染水問題)もそうだが、米英も中国との経済交渉で行き詰まり
*今週は政府版と財新の8月製造業PMIの発表がある
*中国に好意的な情報を流す世論操作活動「スパモフラージュ」と中国政府が関係
*バイデン大統領=中国は時限爆弾
*景気減速の指標は続く 貿易に物価
*株価が弱い
*世界の中国回避が景気減速に繋がっている
*バイデン大統領が中国への新たな投資制限策発令か
*対米貿易で首位陥落
*不動産業ではデフォルト案件も
*海外からの資金流入も細る
*米中半導体戦争続く
(景気減速も人民元は管理されて安定)
人民元は弱いと言われるがそれほど弱くはない。12通貨中7位。対円で5.76%高、対ドルで5.34%安。管理相場なのでそれなりに統制している。ただ株は安い。今年は世界の市場が好調だが、年初来で上海総合指数は1.55%高、香港ハンセン指数は6.56%安だ。そもそも習政権発足以降は株価対策には積極性はない。
(報道統制=景気減速は伝えられないが、原発処理水については広く知られている)
中国の経済指標は軒並み悪化しているが、それを深刻視している報道もない。そもそも弱い経済指標もあまり伝えられていない。ただ日本の原発処理水の報道は国民に一様に流れているようだ。食料品店から一斉に塩がなくなったり、放射線検査計が売り切れているようだ。報道統制はすごいと思う。今週は政府版と財新の8月製造業PMIの発表がある。予想は前月比若干の改善のようだ。
(中国は時限爆弾)
バイデン大統領は中国について経済が失速しているとして「時限爆弾だ」などとしたうえで「悪い人間が問題を抱えていると悪いことをする」と述べ国内問題が対外的な行動に影響を及ぼすことに懸念を示した。両国が対話の継続で一致するなか中国が反発することも予想される。
(米の見方)
レモンド米商務長官は、「中国はリスクが高くなりすぎて投資できない国になっているという声が米企業の間で高まっている」と述べ、法外な罰金や家宅捜索などに言及した。
在中国米国商工会議所のマイケル・ハート代表は、企業は中国政府に対して「非常に明確な」懸念を表明していると指摘。「企業への家宅捜索やデータフローの制限など、いくつかの措置は直接投資の誘致に寄与しない」と述べた。
(英の見方)
中国を訪問中のクレバリー英外相は、中国とは現実的な関係を築きたいが、両国の意見が対立する分野については今後も明確に認識していくと述べた。
中国を孤立させたり、中国抜きで気候変動問題に対処するのは誤りだと指摘。
中国との関係を一言で片付けようとするのは根本的に誤っているとし「中国は重要な国であり、大国であり、影響力のある国であり、複雑な国だ。このため、われわれと中国の関係も、必然的に複雑で洗練されたものになる」と述べた。
(豪の見方)
チャーマーズ豪財務相は、中国経済の情勢を注視していると発言、景気低迷の「懸念すべき」兆候があり、豪経済の重しになる可能性があると述べた。
「中国は成長の鈍化に対処しており、デフレが起きている。不動産セクターに対する懸念のほか、銀行セクターに対する懸念もある程度あり、輸出も減速している」とし「特に中国を巡る懸念要因をわれわれは非常に注視している」と述べた。
テクニカル分析(人民元/円)
20円台到達
日足、ボリバン2σ上限を一時上抜くも反落。8月28日、29日と上ヒゲ長い。8月24日-30日の上昇ラインがサポート。8月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限を一時上抜くも反落。8月7日週-21日週の上昇ラインがサポート。22年10月17週-8月28日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、今年はここまで右肩上りといってもいい動き。4月-7月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年7月の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
世論操作=スパモフラージュに関与=メタ
フェイスブックの親会社メタは、中国に好意的な情報を流す世論操作活動「スパモフラージュ」について、中国の法執行当局の関係者とのつながりが判明したと述べた。
セキュリティーに関する四半期報告で明らかにした。同社はスパモフラージュとの関連で、フェイスブックのアカウント約7700件のほか、他のページ、グループ、インスタグラムのアカウント数百件を削除した。
スパモフラージュは数年前から活発に行われており、中国に対する肯定的なコメントや、米国、西側の外交政策、中国政府を批判する人物に対する否定的なコメントを拡散している。
中国外務省の汪文斌報道官はメタの報告を把握していないとした上で、個人や組織がソーシャルメディアで反中キャンペーンを展開することはよくあることだと述べた。
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