シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショートやや減少】
8月15日時点で円のポジションは、ドルに対して8.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングがショートよりも積み増されたことで、ネットショートは前週から約0.2万枚減少した。
期間中のドル/円相場は、米金融引き締め長期化の観測を受けて145円台後半まで5連騰。
年初来高値を更新したことで一部の投機筋は円ロングを増やしたようだが、ドル/円相場に影響を与えるには至らなかった。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
8月15日時点でユーロのポジションは、ドルに対して16.0枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増されショートが取り崩されたことで、ネットロングは前週から約1.0万枚増加した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米7月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて1.1065ドル前後まで上昇するも一時的で、米国の金融引き締めが長期化するとの見方からドルに買い戻しが入ると1.0875ドル前後まで押し戻された。
欧州中央銀行(ECB)の追加利上げ観測はさほど高まっていないが、投機筋のユーロ買いポジション圧縮の動きは一服したようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング増加】
8月15日時点でポンドのポジションは、ドルに対して5.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングの積み増し度合いが大きかったことからネットロングは前週から約0.4万枚増加した。
期間中のポンド/ドル相場は、英国や米国の経済指標の結果を受けて上下する場面も見られたものの、1.270ドル台での値動きが中心となった。
それでも英中銀(BOE)の追加利上げ期待が高まったことから、投機筋はポンドロング構築の動きをやや強めたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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