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メキシコペソ 月間為替予想「下落からの戻りが早い…8.5円を抜けるともう一段上昇か」FXレポート 2023年8月

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目次

▼メキシコの経済状況
▼メキシコの金融政策
▼メキシコペソの予想

メキシコの経済状況

7月7日に発表された6月のCPIは前月比は‐0.22%から0.1%に上昇、予想0.09%、前年比5.84%から5.06%、予想5.02%となりました。2か月連続で6%割れとなりましたが中銀のインフレターゲットの3±1%からはまだ高いレベルです。
農畜産物とエネルギーを除くコアインフレ率は前月比0.32%から0.3%に、予想0.27%、前年比5.84%から5.06%に低下、予想5.02%となりました。

メキシコの金融政策

メキシコ中銀は5月と6月と2会合連続で政策金利を据え置きました。6日に発表された6月会合の議事要旨の要点は以下になります。
経済に関しては複雑な外部環境にもかかわらず経済活動は回復している。
インフレに関しては依然として高水準にあるが、インフレ圧力は緩和している。コアインフレ率もヘッドラインインフレ率よりは緩やかであるが低下している。コスト関連の圧力が高まることの可能性を指摘し、労働市場の監視が必要だとの認識を示しました。
中期的なインフレ期待の推移とともにディスインフレのプロセスが進行中としました。とはいえインフレ率は高止まりし非常に複雑であるとしました。
これらを踏まえて政策金利の維持を全会一致で決定した。この決定によりインフレ率が予測可能な期間内に3%の目標に収束するための必要な軌道を維持している。インフレ圧力とすべての要因を徹底的に監視する。インフレ率の3%への目標を達成するために基準金利を現在の水準に長期間維持する必要があると考える。

以上の議事要旨から現行水準の11.25%付近に長期間維持する可能性が大きいと思われます。

メキシコペソの相場予想

今月のドルペソは17.1215ペソ付近でスタートし、7日に17.3960ペソ付近と月の高値まで上昇後に18日に16.6933ペソ付近まで下落し月の安値となりました。その後17.05ペソまで反発しましたが16.8280ペソ付近(25日16時ごろ)で推移しています。
ドル安ペソ高の流れは続いています。このレベルは2015年12月以来のドル安水準です。17ペソ付近に20日移動平均線が位置し短期的なレジスタンスになっています。ここが抜けないようであれば16.50~17ペソのレンジを予想します。
今月のペソ円は8.403円でスタート、5日に8.51円まで上昇し高値を付けた後に13日に8.142円まで下落しました。その後24日に8.414円まで上昇し8.405円付近(25日16時ごろ)で推移しています。
安値の8.14円付近が短期的なサポートになり8円付近が中期的なサポートとみています。短期的には8.14円を維持できれば上昇トレンドを継続し8.5円付近を上抜けする場合は8.65円付近がターゲットと予想します。
一方で8円を割れるようであれば一旦上昇トレンドは終了し長めの調整になるのではないかと予想します。

メキシコペソ円 週足チャート

メキシコペソ 特設サイト:
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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