ドル/円、139円台で方向感を模索…市場の関心は来週のFOMC・日銀会合に集まる
本日、東京市場のドル/円は、139円台へ持ち直す展開。序盤は前日の米経済指標の結果を受けたドル売りが続き138.76円前後まで弱含みました。しかし、その後は日経平均株価が大幅高となる中でリスクオンの円売りが優勢となり午後には139.38円前後まで反発しています。
欧州市場に入ると、米債利回りが上昇したことや一部報道で来週の日銀金融政策決定会合では金融緩和維持と伝わるとドル買い・円売りが加速。一時139.72円前後まで上値を拡大しました。
今夜は、ドル/円に直接影響のあるイベントは予定されていません。市場の関心は来週の米5月消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合に向っているでしょう。そうしたことから、本日は様子見ムードとなりやすく139円台を中心に方向感のない展開となりそうです。週末の持ち高調整などによる不規則な値動きには注意が必要かもしれません。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日移動平均線が下向きで抵抗に、20日線が上向きで支持となり139円を挟んで方向感を模索する展開となっています。直近は138.30円-140.50円のレンジで推移しており上下どちらかにブレイクするまでは新たな動きが出たとは言い難い状況です。新たな動きが生じるのは来週になるかもしれません。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/9(金)
21:00 メキシコ4月鉱工業生産
21:30☆カナダ5月雇用統計
25:00 センテノ・ポルトガル連銀総裁講演
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
本日、植田日銀総裁が衆院財務金融委員会に出席しました。答弁において「2%物価目標の持続的・安定的にはまだ少し間がある、粘り強く金融緩和を継続する」「さまざまな状況を将来について考えているが、ETFを持ち続けるというオプションも一つの選択肢であるとは考えている」などと語りました。また、ETFについて「出口が近づいてきたときにどういう方法で処分してくのか、しないのかはきちんと政策委員会で議論した上で公表していきたい」と述べました。出口戦略についてどのように考えているのか今後も注目が集まります。
来週15-16日は、植田日銀総裁就任後2回目の日銀金融政策決定会合が行われます。市場では金融緩和の現状維持が大方の予想となっていますが、仮に政策修正が入ったり近い将来での修正を示唆した場合は為替相場にも大きな影響が出ると思われますので要チェックです。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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