ドル/円、三角保ち合い形成で方向感が定まらないが139円台は底堅い
本日、東京市場のドル/円は上値が重い展開。早朝に140.20円前後まで強含む場面もありましたが、日経平均株価が下落に転じたことなどから伸び悩むと、午後には139.60円台まで下落しました。欧州市場に入ると一時139.96円前後まで持ち直しましたが、米債利回りが低下する中でドル売りが強まり139.62円前後と本日安値を更新しています。
前日7日にカナダ中銀がサプライズ利上げを行ったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締めが長期化するとの観測が浮上しています。そうした中で、ドル/円は139円台では底堅いものの、140円台に乗せると伸び悩むなど方向感が定まらず、日足チャート上で三角保ち合いを形成しています。なお、今夜は米新規失業保険申請件数が発表されます。市場予想は23.5万件と前回(23.2万件)から僅かに増加すると見られています。三角保ち合いをブレイクするきっかけとなるか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/8(木)
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 米失業保険継続受給者数
23:00 米4月卸売売上高
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
トルコリラの下落が止まりません。5月28日にトルコ大統領選挙の決選投票が行われ、エルドアン大統領の再選が決定しました。それ以降、トルコリラの下落スピードが加速しています。トルコリラは、対ドルで17.4%安の23.389ドル(史上最高値)、対円で15.9%安の5.81円(史上最安値)をいずれも更新しました。 エルドアン大統領が続投となり高インフレが続く中で低金利政策が継続されるとの見通しが高まったことも大きな要因となりました。そうした中で、市場では新体制下で中銀総裁交代を巡る憶測が高まっており6月22日のトルコ中銀金融政策会合で利上げを行う可能性があると囁かれています。また、本日未明に7日の急落後に「トルコの国営銀行がリラ支援を再開」との報道も出ています。こうした動きからトルコリラの下落が止まり持ち直すことができるのか今後も注目が集まります。
トルコリラ円 日足チャート
ドルトルコリラ 日足チャート
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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