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メキシコペソ 月間為替予想「ペソは高値から急落するも切り返す」FXレポート 2023年4月

月間為替予想メキシコペソ

目次

▼メキシコの最新の経済状況は?
▼メキシコの金融政策の予想は?
▼メキシコペソの予想

メキシコの最新の経済状況は?

2月24日に発表された2022年のGDP確定値は前年比3.1%増となり速報値から0.1%上方修正されました。GDPが通年でプラスになるのは2年連続となりました。
内訳は農業など第一次産業が2.7%増、第2次産業が3.3%増、第3次産業が2.8%増でした。自動車の生産台数回復が製造業の成長を支えました。
2023年は経済成長が減速することが予想されています。民間金融機関の見通しは0.98%、メキシコ中央銀行の見通しは1.85%になっています。
3月9日に発表された2月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.53%上昇で予想の0.61%を下回り、前年比7.62%の上昇と予想の7.68%を下回りました。コア指数は前月比0.61%と予想の0.66%を下回り、前年比8.29%と予想の8.45%を下回りました。
メキシコのインフレ率は中銀の目標の3%±1%を大きく上回っています。
3月23日に発表された3月前半のCPIは前年比7.12%の上昇となり上昇率は2月の7.62%からさらに低下しました。コア指数は8.15%とこちらも2月の8.29%から上昇率が低下しました。

メキシコの金融政策の予想は?

メキシコ中銀は前回2月9日の会合で予想の0.25%を上回る0.5%の利上げを行いました。前回利上げ幅が予想を上回った原因はインフレ率の上昇が指摘されました。
1月の消費者物価指数が上昇したことで、メキシコ中央銀行はインフレ見通しを見直し、ディスインフレプロセスが従来の予想よりも遅くなったとの見方を示しました。
ヘッドラインインフレ率の目標への低下を前回12月会合では2024年7~9月期としていましたが、2月会合では10~12月期に後ずれさせました。
今後の会合に関しては、「データ次第だが、すでに達成された金融政策スタンスを考慮して次回会合において政策金利の上振れ方向での調整の幅を縮小できる可能性がある」と利上げ幅縮小に関して言及しました。
1月18日にタカ派であるヒース副総裁はターミナルレートは10.75~11.5%になるとの見方をしました。タカ派のヒース副総裁でもマックスで11.5%とすれば残りの利上げは0.5%までの可能性もあります。
5月18日の会合で0.25%の利上げを行った後、データ次第ではそこで利上げ打ち止めの可能性もあります

メキシコペソの予想

ドル/ペソは3月8日に17.89ペソと2017年以来のドル安ペソ高レベルまで到達しました。その後はドル高ペソ安の流れとなり3月20日に19.23ペソまで上昇しました。米国のSVBの破綻やクレディ・スイスの株価下落など銀行問題によるリスクオフの動きも外国為替市場でのペソ安を加速させました。
19.20ペソ付近は下落前のサポートレベル、一目均衡表の雲の上限と、中期的に重要なレジスタンスになり、そのレベルが抑えられました。
27日時点で18.36ペソ付近に下落しておりペソの下落は一旦終了し、18~19ペソのレンジを予想します。
ペソ/円は3月8日に7.643円まで上昇し2015年以来の高値まで到達しました。その後ペソ/円は急落し特に7.2円割れでは下落が加速しました。3月20日に6.787円まで下落しました。
銀行破綻などの金融市場変動が落ち着きリスクオフの円買いが収まると7.157円付近で推移しています。(3月27日時点)
7.3円付近は下落後の戻り高値で、このレベルが短期的なレジスタンスと予想します。このレベルが上抜けできなければ6.8~7.3円のレンジを予想します。
7.3円を上抜けする場合のターゲットは7.5円、6.8円が下抜けした場合のターゲットは6.5円と予想します。

MXN/JPY 日足

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当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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