個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2023年2月1日15時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
今夜はFOMCです。
政策金利の引き上げはほぼ織り込み済みで4.75%になりますが、3月のFOMC、または5月FOMCで利上げが停止されるのか、今後何回利上げとなるのか、ここが焦点になります。 現状のコンセンサスですと、3月も利上げ、5月は利上げなし、が金利先物市場を見ても主要路線となっております。
正直、出たところ勝負だとは思うのですが、規定路線通り3月or 5月をもって利上げ停止となれば、「バイ・ザ・ルーマー」的な値動きになると予想しております。
5%で高止まりは正直高い水準です。
日本、欧州での政策金利5%の到達はほぼあり得ないと思いますし、米国の金利4−5%台で推移する期間はまだ1年以上はあると考えます。
そうなりますと中長期ポジションがドルにやはり集まっていくと考えます。
これらを加味しますと、ドル安トレンドがさらに続くとはあまり思えません。
ドル/円やユーロ/ドルはドル売りで十分調整されたと思います。
ドル/円買い目線は個人的にはまだ堅持している状況です。
目次
▼ドル/円 4時間足分析
▼ECBも利上げだが、限界があるか?
ドル/円 4時間足分析
出所:TradingView
ドル/円4時間足です。
1月は一時、134円超えの局面もありましたが、その後127円台まで下落、現在は130円と年初の価格で推移しており、すでに横ばいの状況です。
1月後半に至っては、じっくりと下値を切り上げている状態でして、底堅い地合いであることは間違いありません。
今夜のFOMCにてターミナルレート5.00%が確定的となり、発表後下落するとは思いますが、127円を割り込まなければ、反発すると考えます。
イメージ的にはレベル感で恐縮ですが128円台であれば、買いを狙いたいと考えているぐらいです。
一度、FOMCの発表を待って、イメージ通りであれば、明日の東京時間前にドル/円の仕込みを再開しようという戦略で個人的には考えております。
ECBも利上げだが、限界があるか?
出所:TradingView
続いてユーロ/ドルです。明日(2/2)ECBがございますが、政策金利は2.5%→3.0%引き上げ予想となっております。
また次回のさらなる利上げも織り込みつつあり、市場織り込み度は3.25-3.50%でしょうか?
しかしながら、南欧の債務問題もあることから、3%台後半が限度でしょう。
マーケットはどこまで見越しているかわかりませんが、ユーロ/ドルの高値更新もそろそろ限界に近づきつつあるように思えます。
1.10-1.15ゾーンは売り場となるイメージです。ECBが仮に4%超えを狙うのであれば話は別ですが、欧州経済の体力が持たないと考えますので、ある程度の政策金利を維持して時間をかけてインフレ退治に臨む方向に舵を切っていくのではないかと予想します。
そういった面では欧米金利差は1%前後乖離がありますので、その差も縮まりにくいと考えます。
よって、ユーロ/ドルもECB終了後、戻り売り目線で考えております。
正直、今週はFOMC、ECB、そして米雇用統計と大型イベントが多すぎるため、ポジションはほとんど持たずに結果を見てから入っていくスタンスです。
ドル/円、ユーロ/ドルはあくまでも個人的なファンダメンタルズの展開を予想したものになりますので、仮説と違う内容で発表されれば、再びドル/円をショートしたり、ユーロ/ドルをロングしたりする可能性もありますので、ご了承ください。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」(前編)
<もくじ>
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」(中編)
<もくじ>
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる!?
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」(後編)
<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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