豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・原油価格は反落。中国12月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.0と前月(49.4)よりも悪化。5カ月連続で好不況の境目と言われる50.0を下回った。これにより中国の景気減速懸念が強まり、原油の需要減退の思惑に繋がった。一時、1バレル=76ドル台まで下落した(1月3日)。
・豪11月雇用統計で、雇用者数は6.4万人増加して市場予想(1.9万人増)を大幅に上回った。失業率は3.4%で前月と変わらず。また、労働参加率は66.8%となった(12月15日)。2022年12月分は1月19日発表。
・12月6日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.10%とした。今後の利上げペースに関してはデータ次第とした。次回会合は2月7日。
・11月16日に発表された豪7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想の+3.0%を上回り、4-6月期の+2.6%から伸びが加速した。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は日銀の金融緩和修正観測への思惑に振り回される
昨日発表された、中国12月Caixin製造業PMIが前月よりも低下していた。中国では11月後半から厳格なゼロコロナ政策を徐々に緩和していたが、これにより新型コロナの感染者数が急増。中国経済の混乱は中国と交易関係の強い豪ドルにとってはネガティブ材料となる。他方で、中国での新型コロナの感染拡大のピークは旧正月の連休(1月21日~28日)辺りまでとの見方が大勢を占めている。現状では混乱している中国経済ではあるが、先行きは改善との思惑が強いことはポジティブ材料だ。
本日は豪州や中国(豪州と交易関係が強い)の経済指標発表は予定されていない。そのため、株価動向や欧米の経済指標の結果を受けたリスクマインドの増減が豪ドル相場を主導することになりそうだ。
警戒要因は日銀となる。昨年末に日銀が物価見通しを上方修正するとの観測記事が出て、日銀による金融緩和修正への思惑から年末から年始にかけて円高圧力がかかった。日銀がこの観測記事に関して、どういった反応を見せるのか。肯定、否定どちらにしても円相場が反応する可能性がある。日銀に関するヘッドラインには注意しておきたい。
個別の想定シナリオ
■欧米の経済指標が予想を下振れる
⇒欧米経済の減速懸念高まる
⇒欧米株価指数が下落
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドルは売られる
チャート分析
今後の注目材料
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は晴れ、豪ドル/米ドルは曇り空に太陽が覗く。7時に豪ドル/円の移動平均で買いシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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