動画配信期間:2022/10/6~
国際的な大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任し、ファンドマネジャーとしても活躍された志摩力男氏による為替相場の解説セミナーです。 世界中のヘッジファンドや有力トレーダーとの交流の中で見えた、最もホットな通貨ペアの相場見通しやマーケット展望を、志摩氏独自の切り口で明快に解説します。
■1980年代のドル/円と米政策金利
(13:38頃から)
今度は米政策金利とドル/円の関係をご覧ください。政策金利の上昇に合わせてドル/円は上昇しましたが、その後政策金利がピークから低下するときは、逆にドル/円は上昇。政策金利が横ばいになった局面ではドル/円横ばいで推移。その後ドル/円が落ちているのはプラザ合意です。プラザ合意的なことはあっても不思議ではありませんが、あっても先だと思います。
■円安進行は止められない、利上げできない日銀
(16:53頃から)
直近の9月22日に政府・日銀が円買い介入を行いましたが、金融性差が変わらなければ円安は止められません。黒田日銀総裁も為替相場に影響を与えるためには相当金利を上げる必要があることを認めています。もし政策変更となれば円高方向に動くことが予想されますが、日本は景気が弱く政府債務が大きいので金利を上げられないのが実情であり、YCCを調整するか、黒田総裁がそのまま突っ走るしかないところかと思われます。そのため、130円台への下落はあると見ますが、リーマンショック級の金融危機が来ない限り、 円安が続くと見たほうが見たほうがよさそうです。
■ドルが下がらない場合、次の注目はポンド
(26:43頃から)
もし、ドルが下がらない場合はポンドが注目されます。トラス英首相にとって理想的な政策だが、インフレ抑制を進めるベイリー総裁にとってはとんでもないことであり、BOEはインフレだけでなく英政府とも戦う必要に迫られています。英国債の買い入れは10月14日までのため、終了後英国債がどうなるか、金利が急騰するのかはよく見ておきたいところです。
ポンド/円は下からすごいショートカバーが出ていますが、しつこくポンド売りでやっています。今年後半はポンドが中心になると見ています。
万一、パリティ(1ポンド=1ドル)割れになるとポンド一段安の恐れがあります。BOEは過去にジョージソロスに負けたのもありますが、
・英国の経常収支が赤字
・トルコと同様に外貨準備が少ない
ことから、政策的に矛盾したものを投資家の前に露呈してしまうと、大変脆弱な国であり通貨であるため、狙っている投資家は多いです。
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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