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FX/為替見通し「RBAは大幅利上げを継続?豪ドル/円の上値はどちらにしても重い?」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年10月01日

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

RBAは大幅利上げを継続?豪ドル/円の上値はどちらにしても重い?

今週の振り返り

今週の豪ドル/円、NZドル/円はともに上値が重かったです。英国の新政府が打ち出した減税策に対して市場が強い拒否反応を示したことで、英ポンドを中心にリスクオフの米ドル買いが先行。英国や欧州の景気減速懸念が強まっていることも、資源国通貨である豪ドル、NZドルの売り材料となりました。週末にかけては、週末、月末、期末を控えたリバランスが持ち込まれ、米ドル高に対してポジション調整が入ったことで豪ドル、NZドルも買い戻しが優勢となりましたが、上値を伸ばすには至りませんでした。

RBAは利上げ幅縮小?

来週は4日(火)に豪準備銀行(RBA)理事会が予定されています。前回、9月の理事会でRBAは4会合連続の0.50%利上げを実施。政策金利を2.35%としました。ただ、その後のロウ総裁の講演や、RBA議事要旨に利上げ幅の縮小を示唆する内容が盛り込まれていました。そのため、市場が予想する今回の会合では0.25%利上げと0.50%利上げの確率はほぼ半々。若干0.50%利上げが優勢となっています。
9月15日に発表された豪8月雇用統計では、雇用者数が3.35万人増加。前月に大きく減少したのは一時的という豪統計局の見通しを証明する結果となりました。28日に発表された豪8月小売売上高は前月比+0.6%と予想を上回ったほか、月間の売上高は約348.8億豪ドルと過去最高の売上高を記録。豪州の消費意欲が高インフレや高金利下であっても衰えていないことを示しました。そして、29日には7月、8月の月次消費者物価指数(CPI)が発表されました。(※新しい指標のため、7,8月分を合わせて発表。)結果は7月が前年比+7.0%、8月が+6.8%と6月(+6.8%)からインフレは高止まりしていることを示唆する内容となりました。
筆者はインフレの高止まりや豪経済が引き続き堅調さを維持していることから、RBAは0.50%利上げを継続するとみています。ただ、インフレ率が高止まりしているなら少し利上げペースを落として様子見をするとRBAが考えてもおかしくはありません。そのため、0.25%利上げだったとしても驚きはありません。また、声明で今後の利上げペースについてどのような姿勢を示唆するかも気にしたいところです。9月に若干ハト派的に変化したので、1カ月後に再びタカ派に戻るとは考えにくいですでの、ハト派度を強めるかどうかが焦点となります。

来週も世界経済の先行き不安が…

来週も世界経済の先行き不安が豪ドル、NZドルの上値を抑える大きな要因となりそうです。欧州では、これから寒い冬を迎えるにあたり天然ガスの供給不安が根強く残っています。29日に発表されたドイツの9月CPI(速報値)が市場予想(前年比+9.5%)を大きく上回り約70年振りの水準となる+10.0%に、30日に発表されたEU圏のCPIも+10.0%(予想+9.7%)となりました。エネルギー価格の高騰が欧州全域でインフレを加速させる一因となっており、欧州経済の減速懸念が強まっています
英国では8月にイングランド銀行(BOE)が2022年の第4四半期には景気後退に陥ると予測していましたが、ここにきてトラス新政権の打ち出した大幅な減税策が英経済の減速を早めるとの思惑が強まっています
米国の経済は英欧と比べると比較的堅調さを維持しています。しかし米連邦準備制度理事会(FRB)が今後も大幅な利上げを継続することが予想されています。米国のインフレが高止まりしており、さらにFRBによる大幅な金利上昇が続くとの見通しから米経済が後退するとの懸念も根強いです。

景気の減速は資源需要の減退をイメージさせるため、資源国通貨である豪ドルにとってはネガティブな材料となります。減速期に差し掛かっている世界経済が好転することはないと思いますので、来週も豪ドルの上値は重くなると見ています。

テクニカル的には

豪ドル/円は一時92.10円台まで下落しましたが、一目均衡表の雲下限(先行スパン2)をサポートに反発し雲を上抜けて94円台を回復しています。しかし、94.30円台に転換線が位置していることもあり伸び悩んでいる状況です。
今週(執筆:9月30日金曜日)は92.10円台まで下落したものの8月2日の安値(90.50円台)を切り上げていることから再上昇への起点となる可能性があります。来週、転換線(94.30円台)と基準線(95.40円台)を上抜ければ、97円を目指した展開となりそうです。
なお、再下落となり92.10円台の安値を割り込んだ場合は90円台への下落もあるとみています。(外為どっとコム総研:宇栄原宗平 執筆)

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:92.00-96.00、NZD/JPY:80.00-84.00

10/03 週のイベント:

10/1~7  中国 国慶節で祝日休場
10/04 (火) 09:30 豪 8月住宅建設許可件数
10/04 (火) 12:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
10/05 (水) 10:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
10/06 (木) 09:30 豪 8月貿易収支

一言コメント:

ほんの少し前まで凄く暑かったのに、もう10月に突入しました。窓を開けっぱなしで寝てるとそろそろ風邪をひきそうです。10月といえば、数年前に長野県の方の松茸小屋に食べに行った記憶があります。あ、来週からオーストラリアは夏時間(南半球なので北半球と夏冬が逆)となります。経済指標の発表時間がこれまでより1時間早まりますのでご注意を!

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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