※以下のように変更いたしました
変更前:英国の外貨準備高の水準を英政府の外貨準備高が日本と比べると7分の1程度
変更後:英政府の外貨準備高が日本と比べると10分の1程度(2022年8月時点)
ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・9月23日に英国のトラス政権が打ち出した景気刺激策を市場が嫌気。26日にはポンド/米ドルが史上最安値となる1ポンド=1.03256ドルを記録した。
・9月22日にイングランド中銀(BOE)は0.50%の利上げを実施し、政策金利を2.25%とした。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中3人が0.75%の利上げ支持。次回会合は11月3日。
・英8月小売売上高(除自動車燃料)は前月比-1.6%と予想の-0.7%を大幅に下回る(9月16日)。
・英8月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.9%(予想+10.0%)と前回の7月分(+10.1%)からインフレは若干鈍化。しかし、市場は英国のインフレは年末にかけて再び加速すると予想している(9月14日)。
・英5-7月失業率(ILO方式)は3.6%と前回(3.8%)から低下。賃金上昇率は+5.2%と堅調な伸びを継続(9月13日)。
・英4-6月期国内総生産(GDP、速報値)は前期比-0.1%とマイナス成長となった。9月12日に発表された英7月月次GDPは前月比+0.2%と前月のマイナス成長から回復している。
・英8月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、確報値)はそれぞれ、47.3、50.9と前月(52.1、52.6)から低下。特に製造業は2020年5月以来の低水準となった(9月5日)。
今日のメインシナリオ
ポンド/円の動きに要注意!急激なポンド相場の動きにBOEにも為替介入の可能性?
高インフレの影響による景気低迷を刺激するために、9月23日にトラス政権は大幅な減税政策と国債増発計画を打ち出した。税収が減った分を国債で賄う構図となり、減税による英国の財政悪化懸念と国債増発を嫌気した英国債売りにより、ポンドは全般的に売られることとなった。さらに、25日にクワーテング英財務相が追加減税の実施を発表したことで、ポンドは26日のアジア時間から大きく売られ、日本時間10時過ぎにはポンド/米ドルの売りが強まりフラッシュクラッシュを誘発。1ポンド=1.0350ドルまで下落し史上最安値を37年振りに更新。ポンド円は155円台から148円台まで大幅に下落した後、152円前後まで買い戻されるなど荒い値動きが続いている。欧米時間も、英国の新政権の打ち出した景気刺激策への懸念により、ポンドの上値は重くなることが予想される。他方で、ポンドが急落したことで輸入物価が急激に上昇(日本で言う、円安になることで輸入物価が上昇すると同じ原理)することで、英国内のインフレ圧力が強まることが懸念されている。そのため、BOEが今週中頃にも緊急のMPC会合を開催して緊急利上げなどを実施する可能性が噂され始めている。日銀同様にBOEも為替介入を行う可能性が考えられるが、英政府の外貨準備高が日本と比べると10分の1程度(2022年8月時点)のため、日銀のように自国通貨買い介入が行われるのか、懐疑的な声が多い。いずれにせよ、基本的な流れはポンド売りだが、ポンドの急落に対してBOEや英政府が黙っているとは考えにくいため、ヘッドラインには注意しておきたい。
個別の想定シナリオ
■英政府の政策に市場がNO!
⇒ポンドは売られやすい
⇒ポンド/円は下落(英政府、BOEが動かなければ)
チャート分析
注目材料
BOE、英政府高官の言動
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円、ポンド/米ドルはともに晴れ。13時にポンド/円とポンド/米ドルのRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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