豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は小幅反発。米雇用統計発表後にNYダウ平均株価が急伸したことを好感し、一時1バレル=89ドル台まで上昇。その後、NYダウ平均株価が一転マイナス圏に沈んだことで上げ幅を縮めた(9月2日)。
・7月分の豪雇用者数は4.09万人減と予想の2.5万人増を大幅に下回る。失業率は3.4%まで低下、労働参加率は66.4%(前月66.8%)へ低下した(8月18日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。
・8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。次回以降も大幅利上げの可能性は残したが、先月までのタカ派的な姿勢は後退した。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は底堅い?中国の景気減速に警戒だが、RBAの利上げ観測が下値を支える
豪と交易関係が強い中国に注目したい。過去1週間の中国を見ると①中国の8月製造業PMIは国家統計局版、Caixin版がともに好不況の境目と言われる50.0を下回る結果となった。
②国家統計局が集計する8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は52.6と50.0を上回ったものの、2カ月連続で低下していた。
③9月1日に四川省の成都市にて導入されたロックダウンは少なくとも3日間(最低でも9月8日まで)は延長されることが決定された。
④台風の影響の上海の主要コンテナ港が操業を停止したとの報道もある。
これらの影響から市場では中国経済の減速懸念が高まっている。
本日は8月Caixinサービス業PMIが発表される。予想(54.0)を大幅に下回る結果となれば、中国経済減速懸念がさらに高まることとなり、豪ドルにとっては売り材料となりそうだ。
他方で、RBAが明日の理事会で利上げを実施することが確実視されている。
日銀が異次元の金融緩和を継続していることで、日本円が売られやすい地合いは変わらない。
中国の経済減速が豪ドルの重しとなるが、豪ドル/円には一定の支援材料があることから、底堅い動きが予想される。
個別の想定シナリオ
■明日RBAが利上げを行うことが確実視されている
⇒日銀の金融緩和政策は変わらない
⇒金融政策の差が意識されやすい
⇒豪ドル/円は底堅く推移
チャート分析
今後の注目材料
10:45 中国8月Caixinサービス業PMI
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルとも雨。8時に豪ドル/米ドルのMACDで売りシグナル点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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