<第159回調査>2022年8月27日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2022年8月19日(金)13:00~2022年8月23日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は600件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:今年の米ドル/円相場は7月の139.39円前後で天井を付けたと思いますか
問8:年後半のドル/円相場の材料として最も注目しているのは何でしょうか
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が、57.9%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は15.6%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△42.3%ポイントと、依然として高水準にはあるものの、前月の△45.2%ポイントからプラス幅がやや縮小した。調査期間前後の米ドル/円相場は、約1カ月ぶりに137.71円前後まで上昇。その後、135円台に下落する場面もあったが、米長期金利の上昇を支えに下げ渋った。こうした底堅い動きを目の当たりにしたことで、個人投資家は米ドル強気・円弱気の見通しを維持したと考えられる。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が145.00円、最安値が125.00円となり、高値の平均値は138.80円、安値の平均値は130.37円であった。高値の中央値は139.00円、安値の中央値は132.00円だった。前月調査から1~3円程度、円高・米ドル安方向へシフトしており、個人投資家の米ドル/円相場に対する見方は強気を維持しているものの、やや慎重化しているようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、35.0%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は24.1%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△10.9%ポイントとなり、前月の△21.4%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後のユーロ/円相場は、ユーロ/ドルの下落とドル/円の上昇に挟まれる形で137.00円を中心とする一進一退の展開となった。ただ、エネルギー供給不安を背景とするユーロ圏の景気後退懸念でユーロ/ドルが約20年ぶりの安値に沈む中、個人投資家のユーロに対する強気スタンスが後退したと見られる。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が145.53円、最安値が125.00円となり、高値の平均値は140.16円、安値の平均値は133.16円であった。高値の中央値は140.00円、安値の中央値は134.00円であった。前月調査から3~4円程度、円高・ユーロ安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、40.6%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は16.5%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△24.1%ポイントとなり、前月の△29.3%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後の豪ドル/円相場は、豪7月雇用統計の冴えない結果を受けて上値は重かったが、ドル/円の上昇に支えられて94円台後半へと強含んだ。ただ、豪ドルの対米ドル相場が約1カ月ぶりの安値を付けるなど、足元の為替市場では米ドルの強さが目立っている。そうした中、個人投資家の豪ドルに対する先高期待は薄れつつあるようだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が82.00円となり、高値の平均値は96.93円、安値の平均値は90.82円であった。高値の中央値は96.80円、安値の中央値は91.00円で、70銭~1円程度、円高・豪ドル安にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、33.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は25.0%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△8.5%ポイントとなり、前月の△23.5%ポイントからプラス幅が大きく縮小した。調査期間前後の英ポンド/円相場は、163円台から161円台へと小幅に下落。米ドル/円相場が上昇したにもかかわらず、ドルが全面的に強含む中で英ポンド/米ドルが下落したことが響いた。欧州の景気先行き不安は根強いようで、個人投資家も英ポンドに対する先高観を弱めている模様。
なお、今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が174.40円、最安値が150.00円となり、高値の平均値は166.38円、安値の平均値は157.98円であった。高値の中央値は166.00円、安値の中央値は159.00円で、前月調査から1~3円程度、円高・ポンド安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が58.1%と最も多かった。次いで「円」が18.9%、「豪ドル」が5.3%と続き、さらに「ユーロ(3.5%)」、「メキシコペソ(3.4%)」、「英ポンド(2.9%)」、「トルコリラ(2.1%)」と続いた。個人投資家の間で米ドル選好の動きが続いている。円も一部に先高観があるものの、米ドルとの差は先月から縮まっていない。米ドルが強くなる理由を自由記述形式で聞いたところ、「FRBのタカ派姿勢」「FOMCの利上げ」「金利差拡大」など、金融政策を挙げる声が圧倒的に多かった。一部の向きからは「全世界リセッション懸念から、質への逃避のドル買いがもう一段来ると予想」との指摘もあった。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が41.3%と最も多かった。次いで「ユーロ」が19.9%、「米ドル」が13.4%と続き、以下、「英ポンド(7.0%)」、「トルコリラ(6.1%)」、「中国人民元(4.8%)」、の順になった。「円」の回答割合は前月の%からやや低下したものの、依然として先安観が強いことがわかった。円が弱くなる理由としては「マイナス金利」、「金融緩和継続」、「黒田総裁在任中の利上げはない」など、日銀の金融政策を挙げる声が多数だった。「いまのところリスクオフ以外に買い要素が見当たらない」、「資源価格の高騰による原材料費の高騰で物価が上がるので景気が良くなる気配がない」との回答もあった。
問7:今年の米ドル/円相場は7月の139.39円前後で天井を付けたと思いますか
今回の特別質問として「今年の米ドル/円相場は7月の139.39円前後で天井を付けたと思いますか?」とたずねたところ、「天井を付けた」は30.0%、「天井を付けていない」が53.9%で、まだ上値余地があると見ている向きがやや多い事がわかった。その理由について自由記述形式で聞いたところ、「天井を付けた」と答えた向きからは「(米国の)インフレがピークアウトしそう」、「金利差はさらに拡大するが、アメリカの景気も下降する」などとの声があった。「天井を付けていない」と答えた向きからは「そう簡単には(米国は)インフレを抑え込めないだろう」、「今後も日米金利差は拡大する」などの他、「ユーロ不安など、やはり(米ドルには)安心通貨として需要があると思う」との指摘もあった。
問8:年後半のドル/円相場の材料として最も注目しているのは何でしょうか
今回のもう一つの特別質問として「年後半のドル/円相場の材料として最も注目しているのは何でしょうか(ひとつだけ)」とたずねたところ、「米国の金融政策(日米金利差)」と答えた向きが59.3%に上り、過半数を占めた。以下、大きく離れて「米中間選挙(10.6%)」、「ウクライナ情勢(9.3%)」、「日銀総裁の後任人事(8.4%)」、「台湾等の東アジア情勢(6.1%)」などと続いた。米国が年内にどこまで政策金利を引き上げるかが個人投資家の関心の的のようだ。「米国の金融政策(日米金利差)」を選んだ理由として、「米国のインフレピークがどこなのかによって金利の先高観が変わってくる」、「インフレ次第で対応が変わるので予定より上がるかもしれない」などが挙げられており、インフレとの関係で今後も米国の金融政策に着目する個人投資家が多いことがわかった。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第159回目となりました。調査開始から12年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央に公表する「外為白書」で紹介する予定です。
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