ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・英4-6月期国内総生産(GDP、速報値)は前期比-0.1%とマイナス成長となった。同時に発表された英6月月次GDPも前月比-0.6%と2カ月ぶりのマイナス成長(8月12日)。
・8月4日にイングランド中銀(BOE)は0.50%の利上げを実施し、政策金利を1.75%とした。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中1人が0.25%の利上げ支持。
・英7月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、確報値)はそれぞれ、52.1、52.6と前月(52.8、54.3)からは低下(8月3日)。
・英6月小売売上高(除自動車燃料)は前月比+0.4%(前月は-0.7%→-1.0%へ下方修正)(7月22日)。7月分は8月19日発表。
・英6月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.4%(予想+9.3%)と前回の5月分(+9.1%)からインフレは更に進んだ。1982年2月以降、最大のインフレ率となった(7月20日)。7月分は8月17日発表。
・英3-5月失業率(ILO方式)は3.8%と前回(3.8%)から変わらず。賃金上昇率は+4.3%と堅調な伸びを継続(7月19日)。4-6月失業率(ILO方式)は8月16日発表。
今日のメインシナリオ
英国経済は予想より早くリセッション入り!?ポンド/円は下げやすい
止まらないインフレの上昇を背景に、遂に8月4日にBOEはこれまで4会合連続で0.25%だった利上げ幅を0.50%に拡大した。英国のインフレ率は前年比+9.4%と主要国では一番高い。一方で、8月12日に発表された4-6月期英GDP(前期比)と6月英月次GDP(前月比)は共にマイナスとなった。このため、BOEが予想していた「10-12月期から」よりも早い「7-9月期」に数字上でのリセッション入りする可能性が出てきた(テクニカルリセッション=GDPが2四半期連続でマイナス成長)。現在の英国の経済の停滞を理由に利上げを停止することは考え辛い。インフレ率が中銀目標に戻る(もしくは戻ると確信できる)まではBOEは利上げを継続するしかなく、高金利が英経済をより悪化させるという負のスパイラルに陥ることが想像できる。本日は英国にて注目の経済指標の発表は予定されていない。米国の景気見通しへの期待の増減がポンド/米ドル、そしてポンド/円の動きに影響を与えることとなる。
英国は前述の通り、高インフレと低成長による、国内経済減速懸念が強い。そのため、積極的にポンドが買われるということは想定していない。
個別の想定シナリオ
■英国の経済指標発表の予定はない
⇒米経済への期待の増減がポンド相場に影響
⇒英国の経済減速(リセッション)懸念が強い
⇒ポンドは対米ドルで買われにくい(下げやすい)
⇒ポンド/円も下げやすい
チャート分析
注目材料
21:30 米 8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
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外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は曇り、ポンド/米ドルは晴れ。10時にポンド/米ドルのRSIで売りシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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