豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・WTI原油価格は上昇。米国の週間石油在庫で原油在庫が大幅に取り崩されていたことなどで買いが優勢。一時1バレル=98ドル台まで上昇(7月27日)。
・6月分の豪雇用者数は8.84万人増と予想の3.0万人増を大幅に上回る。失業率が3.5%まで低下、労働参加率が66.8%(前月66.7%)へ上昇した(7月14日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。4-6月分は8月17日発表予定。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円、豪小売売上高に注目!豪州の消費がインフレ率を上回れば底堅いと予想
昨日発表された豪4-6月期CPIは前期比で+1.8%インフレが加速していることが分かった。本日は豪6月小売売上高が発表される。4、5月とそれぞれ前月比で0.9%ずつ上昇しているため、計算上はインフレの上昇率よりも消費が若干上回っている。6月の小売売上高(予想:前月比+0.5%)の結果が①予想以上(前月比+0.5%以上):豪経済は引き続き堅調と豪ドル買い。
②予想以下(前月比±0.0%未満):インフレ率を消費が下回ることとなるため豪経済の減速懸念が強まり、豪ドルへの売り圧力が強まりそうだ。
③予想以下(前月比±0.0%~0.4%):豪経済が減速し始めてるとの思惑が台頭することで、②ほどではないが、豪ドルに売り圧力がかかるのではないか。
そのほか、米国の経済指標にも注意をしておきたい。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の定例記者会見で、パウエル議長は今後の利上げペースについて「データ次第」と語っている。一連の米経済指標が強い結果となれば、「米経済は利上げに耐えられる」との思惑からリスクオンのドル売り(豪ドルは買い)となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■豪6月小売売上高が予想を上回る
⇒豪州の消費はインフレ率を上回る
⇒「豪州経済は利上げにも耐えられる」との思惑強まる
⇒豪ドルは買われる
⇒豪ドル/円は上昇
チャート分析
今後の注目材料
10:30 豪6月小売売上高
21:30 米4-6月期GDPなどの一連の米経済指標
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは晴れ。8時に豪ドル/円のボリンジャーバンドとRSIで売りシグナル点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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