豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は続落。欧米の景気悪化懸念が強まり需要鈍化の思惑が強まったため。リビアで複数の油田の操業が再開されたことも原油価格の上値を抑える一因となった。1バレル=94ドル台まで下落(7月22日)。
・中国では新型コロナの感染拡大が止まらない。深セン市の一部地域でロックダウン実施。上海市では市民に8月末までは少なくとも週1回のコロナ検査を義務付けた(7月21日)。
・6月分の豪雇用者数は8.84万人増と予想の3.0万人増を大幅に上回る。失業率が3.5%まで低下、労働参加率が66.8%(前月66.7%)へ上昇した(7月14日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。4-6月分は8月17日発表予定。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。4-6月期分は7月27日発表予定。
今日のメインシナリオ
世界的な経済減速懸念により、豪ドル/円の上値は重い…
金曜日(7月22日)に発表された欧米の景況感指数の結果を受けて、欧米を中心とした景気減速懸念が強まり、リスクオフの円買いが強まった。また同日に発表された豪7月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI)はともに好不況の境目と言われる50.0を上回ったものの、前月を下回っていたことが、豪ドル売りの一因にもなった。本日は為替相場に影響を与えそうな経済指標の発表は少ない。その中で、欧州時間序盤に発表されるドイツのIFO景況感指数に注目したい。市場では前月(92.3)よりも弱い数値(90.2)が予想されている。この予想をさらに下回る結果となると、再びリスクオフの円買いとなりそうだ。世界的な景気減速懸念が強まっている状況では、リスクオフの材料に反応しやすいためクロス円の上値は重くなりそうだ。
個別の想定シナリオ
■ドイツの経済指標が予想を下回る
⇒リスクオフの円買い
⇒豪ドル/円は下落
チャート分析
今後の注目材料
17:00 独7月IFO企業景況感指数
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。7時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナル点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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