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FX/為替見通し「イタリア政局がユーロ安再開の契機に、イタリアで国債入札」週刊為替レポート ハロンズ ユーロ/円 ポンド/円 2022年7月24日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年7月22日 13時50分

イタリア政局がユーロ安再開の契機に、イタリアで国債入札

7月18日週のユーロは後半失速

ロシアから欧州に天然ガスを送る主要なパイプライン「ノルドストリーム1」によるガス供給再開や、ECBが予想幅の2倍となる0.50%利上げに踏み切ったことで、ユーロ/円は142.320円まで上昇幅を広げました。しかし、新たに導入したユーロ圏国債市場の分断化阻止するツールを巡り、懐疑的なムードが広がったため、上昇一巡後は140.000円割れまで売り直されました。また、ポンド/円は方向の見極めづらい展開に。日銀の大規模金融緩和の継続性や、40年ぶりの上昇率となった英消費者物価指数を受けた8月0.50%利上げ観測がポンドを下支えした一方で、政治の混乱や経済の先行き不透明感が重荷となり、164.165-166.252円で振幅しました。

ユーロは売り込みづらくなったとの声も聞かれるが

今回、ECBで導入されたトランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)は、債券購入の規模はあらかじめ制限されないほか、政策委員会が単独で購入を決定できるとしており、予想以上に弾力性があるとの印象でした。このプログラムのおかげでECBが大幅利上げに踏み切ることが可能になり、ユーロは売り込みづらくなったとの声が聞かれます。しかしながら、使用がパンデミックに関連するものに限定されている点は注意が必要で、東欧の地政学的リスクが高まった場合などは、どのように運用されるかは不明です。

実際に、ロシア産ガス供給は再開されたものの、いつ供給停止になるか分からない状況です。この問題は、今後も域内の経済成長への下振れリスクになることは間違いありません。こうした部分が含まれていないとしたら、ユーロ圏の金融安定化へ不安が残ります。イタリアの政局不安が早速TPIの試練となるかもしれません。ドラギ首相が辞任を表明し、欧州連合(EU)からの2000億ユーロの支援確保に向けた改革の遅れが懸念される中で、イタリアの借り入れコストは上昇しやすいですが、26日、28日に実施されるイタリア国債の入札結果次第ではさらに金利が上昇して分断化リスクが意識され、ユーロ売りが再燃するかもしれません。ユーロ/円は本邦の緩和策の影響やECBの利上げペース前倒し期待で底堅さが増しつつあるように見受けられますが、それ以上に上値が抑制されやすいイメージに変化はないと考えています。

英保守党、次期党首は外交に難あり?

ベイリーBOE総裁の「(利上げ幅)0.25%以外の選択肢を検討中」との発言や、40年ぶりの物価上昇ペースを受けたポンド買い戻しが意識される局面は想定されるものの、経済成長への不確実性からあくまでもポジション調整の域は出ないでしょう。こうした場面があるようなら、積極的に売りで参入するのもありだと考えます。また、話は変わりますが、英国の与党保守党の党首選では、スナク前財務相と、トラス外相が決選投票に選出されました。どちらが次期党首になるか分かりませんが、スナク氏はロシアに対し強硬姿勢を取っており、選挙で勝利した場合、二国間の緊張が高まる危険がある一方、トラス氏はEU離脱支持で、EUとの亀裂を深める危険があるなど、両者とも外交問題に弱みがあります。結果は9月5日に発表される予定です。

ユーロ/円は下降トレンドに沿った値動きか

5月12日安値(132.653円)からのトレンドラインに上値を抑えられ、今度は140.000円割れを試す格好になっています。139.700-900円に集まる日足一目均衡表・雲上限と同転換線を割り込むと、6月22日高値(144.241円)を起点とする下降チャネルに沿った動きを強めそうです。その場合、137.000円付近までの調整も考えられます。

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:137.000-142.000

ポンド/円は三角もち合いをどちらにブレイクできるか注視

5月12日安値(155.592円)を起点とする支持線と、6月9日高値(168.724円)を起点とする抵抗線に挟まれた領域での振幅が見込まれます。一度、上抜けトライして失敗していますので、今度は支持線が通過する161.700-162.200円付近を試す期待があります。

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド/円チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:162.000-166.000

7/25 週のイベント

7/25(月)  ―   日本 日銀審議委員に就任する高田、田村両氏、記者会見
7/25(月) 17:00 ドイツ 7月IFO企業景況感指数
7/26(火) 18:00 イタリア 2年債入札
7/27(水) 15:00 ドイツ 8月GFK消費者信頼感調査
7/27(水) 15:45 フランス 7月消費者信頼感指数
7/28(木) 18:00 イタリア 5・10年債入札
7/28(木) 18:00 ユーロ 7月経済信頼感
7/28(木) 18:00 ユーロ 7月消費者信頼感(確定値)
7/28(木) 21:00 ドイツ 7月消費者物価指数(CPI、速報値)
7/29(金) 14:30 フランス 4-6月期国内総生産(GDP、速報値)
7/29(金) 17:00 ドイツ 4-6月期国内総生産(GDP、速報値)
7/29(金) 17:30 イギリス 6月消費者信用残高
7/29(金) 18:00 ユーロ 7月消費者物価指数(HICP、速報値)
7/29(金) 18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、速報値)

一言コメント

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