ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
本日7月22日 英6月小売売上高発表!
・英5月小売売上高(除自動車燃料)は前月比-0.7%(前月は+1.4%→+0.2%へ下方修正)と悪化(6月24日)。
・英6月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.4%(予想+9.3%)と前回の5月分(+9.1%)からインフレは更に進んだ。1982年2月以降、最大のインフレ率となった(7月20日)。
・英3-5月失業率(ILO方式)は3.8%と前回(3.8%)から変わらず。賃金上昇率は+4.3%と堅調な伸びを継続(7月19日)。
・英1-3月期国内総生産(GDP、確報値)は前期比+0.8%と速報値から修正はなかった(6月30日)。7月13日発表の英5月月次GDPは1.5%と前月のマイナス成長から回復。
・6月16日にイングランド中銀(BOE)は政策金利を1.25%に0.25%の利上げ。
金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中3人は0.50%の利上げ支持。
・6月27日に英国議会はEUとの間に交わしている「北アイルランド議定書」の一部を撤廃する手続きを進めることを賛成多数で可決。EUは「国際法である議定書に一方的に違反する意思を明確にするものだ」と批判。EU側の報復も想定されるだけに、ポンドにとってはネガティブ要因。
今日のメインシナリオ
ポンド/円は経済指標が好結果でも、英国の経済減速懸念により売られやすい?
7月20日に発表された英6月CPIは、前年比+9.4%(前回:+9.1%)と英国のインフレは更に伸びていた。これまでBOEは利上げを開始した2021年12月(0.15%利上げ)以降、4会合連続で0.25%の利上げを実施してきたが、このペースの利上げではインフレを抑えられないことが分かった。7月19日にはベイリーBOE総裁が次回会合(8月4日)での0.5%利上げの可能性を認めているため、英国も日本以外の主要国に並んで大幅利上げを実施することとなりそうだ。問題は「大幅利上げに対して、英国経済が耐えられるか?」ということになる。欧州中央銀行(ECB)は昨日(7月21日)に0.50%の利上げを実施し、8年ぶりにマイナス金利から脱却した。ユーロは利上げ発表後は買われたものの、その後は欧州圏の経済減速懸念などを理由に売られる結果となった。
本日は英6月小売売上高と英7月製造業/サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されている。いずれの経済指標も市場は前月からの悪化を予想していることから、英経済がある程度減速していることは織り込み済みと言えるだろう。指標の結果が予想を下回った場合はポンド売り。前月を上回ったとしても、高いインフレ率と大幅利上げによる経済減速懸念により、ポンドの上値は限定的となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■英国の一連の経済指標が予想を下回る
⇒英経済減速懸念強まる
⇒ポンド/円は売られる
チャート分析
注目材料
15:00 英6月小売売上高
15:00 英7月製造業/サービス業PMI
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円、ポンド/米ドルともに曇り空から太陽が覗いている。11時にポンド/米ドルのRSIで売りシグナルが点灯。
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ポンドちょい足し情報
英国の次期首相を決める、保守党党首選は20日にスナク前財務相とトラス外相の2名に絞り込まれた。今後は立会演説会や保守党員約16万人の投票などを経て9月5日に新党首(第78代目英国首相)が決定される。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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