豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は小幅反落。中国での新型コロナ感染再拡大の影響で、同国での原油需要が弱まるとの憶測が浮上。一時1バレル=100ドル台まで下落。一方で、欧州のエネルギー逼迫懸念が根強いことから、その後は104ドル台まで買い戻された(7月11日)。
・中国では上海以外の都市でも新型コロナオミクロン株の別系統「BA.5」感染者が確認された。市場は特に人口が一番多い上海市で再びロックダウンなどの制限が導入されることを警戒している(7月11日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月と同じ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は欧州と中国に警戒。リスク回避姿勢に強く反応する
①欧州では天然ガスをはじめとしたエネルギーの供給ひっ迫への懸念②中国での新型コロナの感染再拡大による制限再導入への懸念
これらの懸念により市場はリスクオフの姿勢を強めている。豪ドルは主要通貨の中では売られやすい状況となっている。市場がリスクオフの姿勢を強めると資源需要減退の思惑が強まり、資源国通貨の代表格である豪ドルにはネガティブなイメージに作用するためだ。本日も、市場のリスクマインドの増減が豪ドル相場に大きく影響を与えそうだ。
他方で、本日は日米財務相会合が予定されている。日本政府は参院選前までは過度の円安を嫌っていたが、選挙の結果を受けて円安への警戒感が低下したと言われている。一方で米国は11月の中間選挙に向けてインフレ抑制を目指しているためドル高を歓迎している。日米財務相会合の内容次第では米ドル/円が上昇し、豪ドル/円を下支えする要因になり得るかもしれない。
個別の想定シナリオ
■欧州や中国で経済減速懸念が燻る
⇒資源需要減退の思惑強まる
⇒豪ドルは資源国通貨
⇒豪ドル/円は売られやすい
チャート分析
今後の注目材料
中国の新型コロナ情勢
独7月ZEW景況感調査
日米財務相会合
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に晴れ間が覗き、豪ドル/米ドルは晴れ。8時に豪ドル/円のボリンジャーバンドで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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