執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
- ▼米ドル/円、月曜日を売りと考える理由。米CPI、小売売上高に一喜一憂
- ▼7月4日週の米ドル/円は方向性の掴みづらい展開
- ▼最悪シナリオなら調整幅拡大か
- ▼米ドル/円、ローソク足の並び通りなら月曜日は『売り』狙いか?
- 7/11週のイベント
- 一言コメント
執筆日時 2022年7月8日 17時00分
米ドル/円、月曜日を売りと考える理由。米CPI、小売売上高に一喜一憂
7月4日週の米ドル/円は方向性の掴みづらい展開
一時136.364円まで上昇しましたが、グローバル経済の先行き不安から買いの勢いが失速すると、その後は134.954円まで下落。同水準からは、136.216円まで切り返しましたが、安倍元首相の狙撃事件のニュースが伝わると135円前半まで押し戻されるなど、明確な方向性は確認できませんでした。
最悪シナリオなら調整幅が拡大か
来週は、13日に米6月消費者物価指数(CPI)、同地区連銀経済報告(ベージュブック)、15日に同6月小売売上高、7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が発表されます。7月26日-27日の米FOMCでの利上げ幅の議論を巡り参考とされそうなイベントになりますので、結果を受けた米ドル/円の振幅には注意が必要です。CPIにおいては、他の物価指標でインフレピークアウト観測が広がっていますが、同指標からもその証左が得られれば、FRBの今後の利上げペースに対するタカ派見通しが緩む可能性はあります。また、前月に予想外のマイナスとなった小売売上高も注意です。2カ月連続で消費の落ち込みが確認できれば、米国の景気後退観測が高まり金融市場はリスクオフムードが強まる危険もあります。指標結果を受けて、日替わりで方向感が変わるもののレンジを抜けきれない展開がメインシナリオですが、インフレの高止まり、消費の鈍化が同時に起きた最悪のケースは調整幅が想定以上に深くなる危険もありそうです。
米ドル/円、ローソク足の並び通りなら月曜日は『売り』狙いか?
米ドル/円はレンジプレイで明確なトレンドが確認できず、どちらにも動きづらい様子です。ただ、直近4週間の日足ローソク足の並びをみると、2日連続で陰線、そして3日ないし4日の小陽線といった推移をしています。もちろん今後もこの動きを続ける保証はどこにもありませんが、レンジ取引と割り切れるなら、やってみる価値はありそうです。この形を信じるなら、とりあえず月曜日は売りを選択すべきかもしれません。この時は21日線(135.319円、執筆時点)を下回り、期間21日のボリンジャーバンド-2σレベルの133.290円(執筆時点)を目指す可能性はあります。
【ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:133.000-137.300
7/11 週のイベント:
7/11(月) - 日本 黒田日銀総裁、日銀支店長会議で挨拶
7/11(月) 08:50 日本 5月機械受注
7/12(火) 08:50 日本 6月国内企業物価指数
7/13(水) 21:30 米国 6月消費者物価指数(CPI)
7/13(水) 27:00 米国 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
7/14(木) 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
7/14(木) 13:30 日本 5月設備稼働率
7/14(木) 21:30 米国 6月卸売物価指数(PPI)
7/14(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
7/15(金) 11:00 中国 4-6月期四半期国内総生産(GDP)
7/15(金) 13:30 日本 5月第三次産業活動指数
7/15(金) 21:30 米国 6月小売売上高
7/15(金) 21:30 米国 7月ニューヨーク連銀製造業景気指数
7/15(金) 22:15 米国 6月鉱工業生産
7/15(金) 22:15 米国 6月設備稼働率
7/15(金) 23:00 米国 5月企業在庫
7/15(金) 23:00 米国 7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
一言コメント
安倍元首相の狙撃事件で日本中がざわざわし始めましたが、参院選が終われば次期日銀総裁選びも本格化しそうで、報道や思惑で円相場はさらに騒々しくなるのでしょうね。
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